Flappy Bird + Snapchat? ゲームをクリアしないと見ることのできないメッセージを送るAmazing Cupid

自分がティーンエイジャーで、ちょっと嫌な相手から好意を持たれた(持たれてしまった)と考えてみよう。飼い主に気に入られようと必死になっている子犬のように、あなたの周りから離れなくなる。こんなときはどうすれば良いのだろう。もしサディスティックな感情を持っているのなら、お断りのメッセージをAmazing Cupidを通じて送るのが良いかもしれない。

Amazing CupidはFlappy Bird風のゲームで、送られたメッセージを見るには、送信者の設定した時間内に、やはり送信者の設定したスコアをクリアする必要がある。クリアできない場合は、送られたメッセージは永遠に失われることとなるのだ。

Flappy Bird類似のゲームは数多くリリースされている(実のところ、Flappy Bird作者のDong Nguyenがゲームをアプリケーションストアから削除してから、iOSアプリケーションチャートで首位になるものも登場している)。しかし、このAmazing Cupidを制作したTouchTenのCEOであるAnton Soeharyoは、勝手に真似をすることを潔とせず、Nguyenにゲーム部分でFlappy Birdと類似のものを制作する許可を得ているのだとのこと。メールでの問い合わせに対して、Nguyenもこの事実を確認している。

Amazing Cupidは現在Google Playストアでのみ公開中だが、iOS版も既にApp Storeに登録申請済みであり、TouchTen(こちらはインドネシアで活動している)によると、バレンタインデーまでには公開されるのではないかとのことだ。

このAmazing Cupidはマネタイズを目的とするものではなく、広告もTouchTenがリリースしている他アプリケーションのものに限っているのだとのこと。Amazin Cupidを通じてメッセージング関連アプリケーションの可能性を探りたい考えなのだそうだ。このAmazing Cupidの人気が出るのなら、メッセージング関連アプリケーションのリリースを検討していこうと考えているようだ。ちなみにこのTouchTenはCyberAgent Venturesの出資をうけて、モバイルゲームの開発を行っている。

ゲームは確かにFlappy Birdに似ているが、主役は鳥ではなく、青い髪をしたキューピッドだ。ゲームの目的は、無限に続くローマ建築風の柱にぶつからずにキューピッドを飛ばし続けることだ。失敗すると「そんなことでは恋など成就するわけもないね」(No wonder you’re alone)だとか「一緒にいるのが君であることにイライラしてきたよ」(Why am I grumpy? You are my only friend)などといった罵詈雑言を投げつけられることとなる。基準点をクリアすれば、ようやく隠されたメッセージを見ることができるようになる。

尚、Amazing Cupidでは、メッセージのやり取りに使うのではなく、純粋にゲームを楽しむこともできる(友達がいない人のための機能だろうか)。ゲームの難しさを楽しむ(そして中毒化する)ために、「ノーマル」、「難しい」、そして「超絶」(impossibro)といったレベルを用意するなど、Flappy Birdにはない工夫もこらしている。

なかなか面白いが、かなりイジワルな存在でもある。

「ちょっとした実験的な意味合いもあるのです」とSoeharyoは言っている。Snapchatを使って、内輪受けの写真などをやりとりすることが流行っているのを見て、自動消滅型の仕組みを使ってなにか面白いことはできないかと考えたのだという。「Snapchatはかなりストレートなものですね。メッセージを送って、それが自動的に消え去るというものです。そこにある種のゲーミフィケーションの仕組みを導入できないものかと考えてみたのです」とのこと。

Amazing Cupidにおけるメッセージング+ゲームの仕組みが流行るようであれば、この仕組を企業やセレブのマーケティングツールとして使えるのではないかとも考えているようだ。最初にメッセージを見た人に特別なプレゼントをあげるとか、あるいはプロモーションコード自体をメッセージにしておくという使い方も考えられる。

ところでSoeharyoは、いつかNguyenに会いたいとも語っている。Flappy Birdの作者であるNguyenは、Twitter上でFlappy Birdがあまりに広まったことにより、周りが騒々しくなりすぎたと言っていた。Flappy Birdが嫌いになったというようなこともツイートしていた。

「急激な変化で途方に暮れてしまったということなのでしょう」とSoeharyoはDongを思いやっている。「会ったことは無いのですが、メールでのやり取りはとてもフレンドリーな様子でした。とても良い人物なのだという印象を受けましたよ」とのこと。「ジャカルタに来るようなことも言っていました。その機会にはぜひとも会ってみたいですね。もちろん無理を言うつもりはありません。でも機会があるのなら、何か一緒にやってみたい気持ちを持っています」とのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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