FLUIDで自宅のいつ、どこで、どの程度の水を使用しているかを知ることができる

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今朝シャワーを浴びたのなら、30ガロンの水を使っている。トイレを数回流したのなら、4から5ガロンを使っている。食洗機を使ったのなら、最低でも6ガロンは使っている。

訳注:1ガロンはおよそ3.8リットル

平均的なアメリカ人は毎日80から100ガロンを水を使用している。それは、500ミリリットルのペットボトル700本分に相当する。その数字は屋外での庭のスプリンクラーやホースで使う水を計算に入れていない。

カリフォルニア州の積雪量は、ここ500年間の最低水準まで落ち込んだ。水不足が深刻なことに多くの人が気づいているが、水の使用量をモニタリングして、個人が水を節約することは簡単なことではない。

シャワーに入っている秒数を数えるべきなのだろう。それは分かるが、隣人はやっていないだろうと思うものだ。

FLUIDは、人のこのような行動を改めたいと考えている。Kickstarterで昨日ローンチしたFLUIDは、スマートな水量計測器だ。毎日、自宅でいつ、どこで、どの程度の水を使用しているかを正確に理解することができる。

「コンシューマーの水道代の請求書には、使用した水の量は記載されていますが、ガロンの単位ではありません。何ガロン使用したかを知るためには、請求書の裏を見て、計算をする必要があります」とFLUIDの共同ファウンダーであるJosh Becerraは言う。「FLUIDは、コンシューマーが水の使用量を把握するための手段を与えることが目的です」。

FLUIDは自宅のメインの水道管に付けて使用する。電源につなぎ、Wi-Fiに接続して、FLUIDのアプリをダウンロードすれば、iPhoneかAndroidでリアルタイムのレポートを見ることができる。

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FLUIDは超音波の技術を採用している。一方の超音波変換器から、もう一方の変換器に音波を送ることで、端末を水道管の中に入れなくても、流れている水の量を計測することができるのだ。

FLUIDの更にすごい点は、水の流れも把握していることだ。

自宅の水道設備、例えばキッチンの蛇口、ベッドルームのトイレ、洗濯機にはそれぞれ特有の水の消費率、あるいは設備が動いている時に水が水道管を通る使用時間がある。

FLUIDに消費率を正確に認識させるには少し作業が必要だ。アプリからFLUIDに各設備の典型的な使用時間を「聞く」ように指示する。洗濯機の30分のコースやトイレの流れる時間などだ。一度FLUIDが各設備の特徴を認識して記録すれば、各設備を判別することができ、各設備で同時に水を使用していてもそれぞれを特定できる。

「自身の水の使用状況を直接、意識してほしいと考えています」とFLUIDの共同ファウンダーのColin Hirdmanは言う。「結果的に水の使用量が減って、水道代を節約できることを期待しています。最も重要なのは、ユーザー自身がどこで、いつ、どの程度の水を使用しているか把握できるようになることです」。

無駄にしている水の量を正確に知ることで、歯を磨いている間、水を出しっぱなしにするのではなく、必ず止めるようになるかもしれない。あるいは、半分も食器がない状態で食洗機を回すより、それらの食器を手で洗うようにするかもしれない。この水道計測器に何時間もかけて自宅の各設備の水の流れる音を覚えさせたのだから尚更そう思うだろう。

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水漏れがある場合は、FLUIDは問題が起きる前に警告してくれるツールにもなる。地下室が水浸しになったり、水道代が高額になったりする前に対処できるだろう。

価格は239ドル、あるいはKickstarterから早期に支援した場合は179ドルだ。FLUIDの価格は、水道管が破裂して水が1時間流れた場合の水道代、あるいはトイレが5日間流れっぱなしの状態になった場合の水道代と同程度だ。

Kickstarterのキャンペーンは10月で終了し、それ以降はFLUIDのサイトから299ドルで販売する。最初のデバイスは2016年5月に出荷の予定だ。

将来的にFLUIDは、既存のスマートホームハブであるNestやSmartThingsと統合し、開発者が自身で改良できるようにREST APIを提供するという。

「人は自分が使用している水の量を把握してから初めて、水を節約できるようになります」とHirdmanは言う。「一度節約を始めれば、もっと節約するようになるでしょう。更には、どう節約するかについてクリエイティブな方法を思いつくと思います」。

人が自然資源の利用を改善するようになると前向きな考えだが、これが上手くいくことを期待したい。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

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