GMが排ガスを出さない商用車ラインナップにカーゴバンと中型トラックを追加すると発表

General Motors(ゼネラル・モーターズ)は、配送業の「始点から終点まで」電動化するために設立した事業部門「BrightDrop(ブライトドロップ)」の商用車ラインナップに、新たに2台のゼロエミッション(無排出ガス)車を追加すると発表した。

1台目はChevrolet(シボレー)ブランドのバッテリー駆動カーゴバンで、人気の高いChevy Express Van(シボレー・エクスプレス・バン)に似たモデルになる予定だ。そして2台目は、Mary Barra(メアリー・バーラ)CEOが「EV用バッテリーのUltium(アルティウム)と水素燃料電池のHydrotec(ハイドロテック)の両方に対応する」と語る中型トラックだ。

GMが乗用車の電動化に多額の投資を行っていることはよく知られているが、それだけでなく、同社は商用車にゼロエミッション技術を導入することにも力を入れている。GMが注力している技術は、バッテリー式電気自動車と、大型車や長距離輸送向けとなる水素燃料電池の両方だ。

GMは2021年1月、トラックメーカーのNavistar(ナビスター)に水素燃料電池ユニット「Hydrotec Fuel Cell Power Cubes」(ハイドロテック・フューエルセル・パワーキューブ)を供給し、2024年に最初の水素燃料電池トラックの販売を開始すると発表した。また、米国の大手鉄道車両メーカーのWabtec(ワブテック)とは、機関車用の水素燃料電池とバッテリーを共同開発する契約を結んでいる。

GMは1月にBrightDropを起ち上げ、FedEx(フェデックス)との契約を皮切りに、電気自動車とコネクテッド技術を含むエコシステムを法人顧客に提供している。

BrightDropは、航続距離250マイル(約400キロメートル)の「EV600」と呼ばれる電動バンと「EP1」と名づけられたポッド型電動パレットという、2つの主要製品からスタートした。当時、BrightDropの幹部は、複数台のEP1電動パレットを輸送する中距離車両や、緊急配送用車両のコンセプトなど、他の製品にも取り組んでいることを示唆していた。

「これらの新型トラックから、BrightDrop、シボレーとGMCのEVピックアップ、そしてWabtecとの機関車や、Navistarとのセミトラックまで含めると、私たちは想像し得るほぼすべての牽引・運搬作業に対応する電動ソリューションを提供することができるようになります」と、バーラ氏は述べている。

関連記事
GMの第2四半期は約3110億円の黒字、リコール費用は約875億円
GMがアップグレードした自動運転支援システムSuper Cruiseを2022年に6車種に搭載へ
GMが商用EV向けのフリート充電サービスを開始、自宅での充電も支援

カテゴリー:モビリティ
タグ:GMトラック電気自動車水素燃料電池

画像クレジット:GM

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。