GMが航続距離640km超の電動ピックアップ「シボレー・シルバラード」を生産へ

2025年までに世界で電気自動車(EV)100万台超を販売する計画を進めているGM(ゼネラルモーターズ)は、ラインナップに電動のChevrolet Silverado(シボレー・シルバラード)ピックアップトラックを加える。

GM社長のMark Reuss(マーク・ルース)氏は米国時間4月6日、電動でフルサイズのシボレー・シルバラードピックアップは同社のUltiumバッテリープラットフォームをベースとし、フル充電時の航続距離は400マイル(約643キロメートル)超だと明らかにした。これはGMの推定距離であり、正式なEPAの数字ではないことは留意しておくべきだろう。

GMはフルサイズのピックアップを消費者と商用の両マーケット向けのものと位置づけている。シルバラードEVピックアップはさまざまなオプションやコンフィギュレーションで提供される、とルース氏は話した。

「特に初期においてEVマーケットの重要な部分であるフリートと商業分野の潜在可能性にかなり興奮しています」とルース氏はデトロイトのハムトラックにある同社の組立工場Factory ZEROでのプレゼンテーションで述べた。

電動のシルバラードはFord(フォード)が将来販売する電動F-150と競合する。そして新規参入のRivian(リビアン)は商用マーケットをターゲットとしないが、同社の電動R1Tピックアップでこの分野に参戦する。RivianはR1Tを2021年夏発売する予定だ。

今回のニュースは、GMのUltiumバッテリープラットフォーム、商用客を専門とする(まずFedExで開始)の新たな部門BrightDropの立ち上げ、電動・コネクテッドプロダクトのエコシステムなど、過去18カ月にあった一連の発表に続くものでもある。BrightDropは、EV600という推定航続距離250マイル(約402km)の電動バンと、EP1と命名されたポッドのような電動パレットの2つのメーンプロダクトで事業を開始する。

GMは2020年、EVとAVのプロダクト開発に270億ドル(約2兆9640億円)を投資すると約束した。ここには2021年に注入する70億ドル(約7684億円)が含まれ、2025年までに世界で30種のEVを発売し、うち3分の2を北米で展開する計画だ。

電動ピックアップトラックのシルバラードはミシガン州デトロイト・ハムトラックにあるFactory ZERO組立工場で生産される、とルース氏は話した。週末に発表されたGMC Hummer EV SUVも同じ工場で生産されることも明らかにした。GMは2020年10月にデトロイト・ハムトラック組立工場の名称を「Factory ZERO」に変え、その後さまざまなタイプの電動トラックやSUVを生産するために同工場に22億ドル(約2415億円)投資すると発表した。

450万平方フィート(41万8000平方メートル)に拡大し、全面的改修と設備一新が行われている同工場ではGMC Hummer EVピックアップと、シェアリング自動運転専用の電動車両Cruise Originも生産される。GMC Hummer EVピックアップの生産は2021年後半に始まる予定だ。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GM電気自動車トラックデトロイト

画像クレジット:GM

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。