GMとホンダが協業開発した配車サービス用電動無人運転車が登場

Cruise(クルーズ)は米国時間1月21日の夕方に、「量産準備が整った」無人運転車「Origin」を発表した。これは親会社のGMと投資家としてのホンダが、配車サービスに向けて何年もかけて協業してきた製品だ。

Cruiseのトレードマークであるオレンジ色と黒色で彩られた、シャトルのような形状の車両には、ハンドルやペダルがなく、高速道路を走行可能な速度で巡航できるように設計されている。インテリアは、旅行者たちが列車の中で見ることができるような、広々とした対面シートになっている。CTOで共同創業者のKyle Vogt(カイル・ヴォート)氏は、プレゼンテーションの中で、各座席には個人のニーズに応えるために専用USBポートが搭載されていると述べた。またおそらく旅行者に乗車情報を提供するために、頭上にディスプレイが備えられている。

ドアは蝶番で外向きに開くわけではないとヴォート氏は付け加えた。「ドアはスライド式なので、自転車に乗る人にとってより安全なのです」と彼は語った。

派手な外見はさておきこのOriginは、Cruiseが持つ、大規模な自動配車サービスを展開する力と意図を示すことを目的としている。重要な問いかけである、何が、いつ、そしてどのようにそれが行われるのかに対しては、まだ答えは示されていない。

cruiseの内観

CEOのDan Ammann(ダン・アンマン)氏は、この車両はコンセプトではなく、同社が配車サービスに使用することを意図している量産可能車両であることを強調した。

とはいえ、Originがすぐに公道に出ることを期待することはできない。無人運転車両は、FMVSSとして知られる米国の連邦規制を満たしていないからだ(FMVSSは、自動車の設計、構造、性能、そして耐久性の要件を規定したもの)。

現在のところOriginは、ミシガン州のGMの施設内や米国外のホンダの事業所内などの、プライベートな閉鎖環境で使用されることになるとアンマン氏はプレゼンテーション後のインタビューで語った。

Cruise Origin

Cruiseは配車サービス用に設計された無人運転シャトルであるOriginを1月21日に発表

また、アンマン氏は車両のコストの低さも強調し、100万マイル(約160万km)運行可能なように設計されていると付け加えた。

「私たちは、Originでの体験が可能な限り安価に提供できるように、最大限の努力を続けてきました」とアンマン氏はステージ上で語った。 「なぜなら、もし私たちが生活と都市を真剣に良くしようと考えているのなら、本当に多くの人たちにCruise Originを使っていただく必要があるからなのです。そしてもし私たちが単純明快な提案とより良い体験を、現在よりも安価に提供できなかったとしたら、そうした目標を達成することができないからです」。

この車両を製造するのはGMだが、どこで製造されるかに関してはアンマン氏は「数日中には発表する」と言った以上の詳細な情報を提供することはなかった。また彼は「現在提供されている従来型の電動SUVの約半分のコストで」車両は生産されるとも述べた。

この発表は、Cruiseのハードウェア開発に関するより多くの手がかりを提供した。同社の開発は過去18カ月にわたって、ハードウェア担当副社長であるCarl Jenkins(カート・ジェンキンス)氏と、自律型ハードウェアシステムのディレクターであるBrendan Hermalyn(ブレンダン・ハーマリン)氏のリーダーシップの下で成長を続けている

車両の外部には、ヴォート氏が「owl」(フクロウ)と呼ぶハイブリッドセンサーが装着されているが、これはおそらくカメラとレーダーを組み合わせたものだ。「owl」の開発担当チームもイベントに参加しており、プレゼンテーションが終了し、ほとんどの聴衆が立ち去ったあとでも長く写真のためのポーズをとっていた。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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