GMの米国工場は再生可能エネルギー100%への切り替えを5年前倒しで実施へ

ゼネラルモーターズ(GM)は2021年初め、2035年までに生産する車両、そして2030年までに生産方法の面でグリーン化を進める計画を発表した。このたび同社は「方法」という部分にいち早く取り組み、予定より5年早く2025年までに米国内の施設で再生可能エネルギーを100%使用することを述べている

この目標を達成するために、GMは、エネルギー効率を高め、施設に自然エネルギーを調達すると述べている。また、再生可能エネルギーを中長期的に貯蔵する技術を開発し「再生可能エネルギーの導入を支援するマイクログリッドを構築する」としている。

GMのサステナビリティ最高責任者であるKristen Siemen(クリステン・シーメン)氏は、次のように述べた。「当社は、気候変動対策が優先事項であり、すべての企業が脱炭素化をさらに迅速に進める必要があることを理解しています。それを実現するために、米国では(計画より)5年早く再生可能エネルギー100%を達成することを目指しています」。

また同社は、PJM Interconnectionという会社と協力して、その時々の送電網の炭素出力に基づいてエネルギー使用量を追跡する計画についても詳しく説明している。「GMは、供給されている電力のほとんどが化石燃料で構成されている場合、蓄えられている再生可能エネルギーの活用や消費電力の削減について、情報に基づいた判断を下すことができます」とも述べている。

生産する車両については、GMは2025年までに全世界でフルEVを30車種投入するする予定で、さらに「2035年までに新しい小型車(自動車、SUV、ピックアップ)のテールパイプ排出ガスをゼロにする」ことを計画している。この言い回しは水素自動車を含む可能性を示唆しているが、今のところGMは主にEVに焦点を当てているようだ。

しかし、GMの汚染削減計画は、政治的な風向きに左右され推移してきた部分もある。同社は、カリフォルニア州をはじめとする各州が独自に公害防止やゼロエミッションの要件を設定することを禁止するというトランプ政権の計画を支持したいくつかの自動車メーカーの1つだった。これにより、自動車メーカー各社は、前政権が要求していた年間5%の燃費向上を大幅に下回る、年間1.5%の燃費向上で許される。GMは、Joe Biden(ジョー・バイデン)氏が大統領に選出された直後に、この訴訟から撤退した。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Veanne Cao

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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