GMの自動運転子会社Cruiseがドバイでのロボタクシーサービス事業を契約、2029年まで独占

Cruise(クルーズ)が、そのロボタクシーの可能性をサンフランシスコ以外にも広げた。GM(ゼネラル・モーターズ)の自律走行車子会社で、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)、Microsoft(マイクロソフト)、Honda(ホンダ)の支援も受けている同社は、2023年にドバイでロボタクシーサービスを開始する契約を結んだ。

ドバイでのロボタクシーサービスには、ハンドルやペダルのない、高速道路での走行を前提としたシャトル型自動運転EV「Cruise Origin(クルーズ・オリジン)」が使用される。2020年1月に発表されたOriginは、GMが製造する。

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Cruiseはドバイを拠点とする現地法人を新たに設立し、その新会社が車両の導入、運用、メンテナンスを担当していく。

RTA(Roads and Transport Authority、ドバイ道路交通局)の長官兼理事会長であるMattar Mohammed Al Tayer(マタール・モハメド・アル・ターイル)氏によると、ドバイの自動運転交通戦略の一環として、まず限られた台数の車両でサービスを開始し、2030年までに4千台の車両に拡大する計画だという。これらのロボタクシー、そして最終的にはサービスは、限定地域で徐々に導入され、その後、他の地域に拡大される予定だ。

ドバイのSheikh Hamdan bin Mohammed(シェイク・ハムダン・ビン・モハメド)皇太子は、Cruiseとの契約について「2030年までにドバイにおける交通手段の25%を自動運転による移動に変えることを目指す、自動運転交通戦略(Dubai Autonomous Transportation Strategy)の実現に向けた大きな一歩」と述べている。

重要なのは、Cruiseが少なくとも向こう数年間はドバイを手中におさめるという点だ。今回の契約に基づき、Cruiseは2029年まで、ドバイにおける自動運転タクシーおよびライドヘイリングサービスの「エクスクルーシブ・プロバイダー」となる。アル・ターイル長官は、Cruiseの選定は軽々しく行われたものではなく、複数年にわたる包括的なプロセスを経て行われたと述べている。

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カテゴリー:モビリティ
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画像クレジット:Cruise-Origin-Dubai

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

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