Gmailにメジャー・アップデートが来た――自動消滅、スヌーズ、カレンダー統合など新機能多数〔日本語対応済〕

今日(米国時間4/25)、Googleはここ数年で最大となるGmailのアップデートを行った。Googleのフラグシップ・サービスの一つであるGmailに、テスト中だったものも含め多数の新機能が追加された。TechCrunchではその一部を今月上旬にいち早く紹介している。今回Gmailではデザインも一新されたが、既存のユーザーに違和感を与えることはないはずだ。

新機能はここしばらく続いていたリークのとおりなので大きな驚きはない。 またテスト中の機能のいくつか(すべてではない)が正式にGmailに採用されたのも予想どおりだった。しかし派手なメディア報道では見逃されがちだった細部の改良が重要だと思う。新設された右サイドバーからGoogleカレンダーが開けるようになった。またGoogle TasksやGoogle Keepとの統合も使い勝手の改善に大きく貢献している。

ともあれ順を追って見ていこう。 新Gmailでまず目につくのは受信トレイ(Inbox)そのものだ。メッセージの上にマウスポインターを乗せると、クリックしなくても右端にアーカイブ、削除、既読にする、スヌーズの各アイコンが表示される。スヌーズは今回新たに追加された機能だ。

スヌーズを選択すると、ドロッダウン・メニューでスヌーズ期間を今日中、明日、カスタムなどに設定でき、その期間終了時にメールが受信トレイに現れる。受信トレイを常にクリアしておきたいユーザーには便利な機能だ。受信トレイを空にしておいても、重要なメールは指定したタイミングで再表示される。メールを開いて読んでいるときはスヌーズ機能は使えない。

今回のアップデートでいちばん大きいのは「秘密モード」でメールを送信できるようになったことだろう。コンセプトはシンプルだ。送信者はメールが読める期間を指定できる。受信者はこのメールについて転送、コピー、ダウンロード、印刷が一切できない。期間終了後メッセージは自動的に消滅する。もちろん受信者がスクリーンショットを取るのを止める方法はないが、Googleの狙いはそこではない。受信側のデバイスが悪質なハッカーに侵入され、データが盗まれた場合でも、秘密モードで送信されたメールはすでに消滅していて安全だ。またさらにセキュリティーを高めるために個々のメールについても二段階認証を設定できる。受信者はメールを開く祭にGoogleが作成したパスコードをSMSで受信し、入力する必要がある。

もう一つの大きなアップデートは「重要メール通知」機能だ。これはGoogleが人工知能を用いて重要性が非常に高いと判断したメールについてのみメール着信の通知を行う。またGoogleは「購読解除」の提案も行う。ニュースレターなどを購読しているが、実際にはほとんど開かなくなっているという場合が多々ある。こうした際、Googleは購読解除を勧める。どうせ読まれないのであればニュースレターの発行者側にとっても無駄な手間となるのでこれは便利な機能だ。

さらにもう一つの重要アップデートは強化された新しいオフライン・モードだ。 GmailがProgressive Web Appsと呼ばれる高度なウェブ・アプリに移行したこともあり、オフラインGmailには最大で過去90日分のメールをローカルに保管し、検索することができるようになる。 ただしこの機能の公開は数週間後になる見込みだ。

新Gmailで私がいちばん便利だと感じたのは受信トレイ右側に新設されたサイドバーだ。ここにはGoogleカレンダーのウィジェットが常駐し、その日のスケジュールが一覧できる。また新しい日程を書き込むのも簡単だ。

右サイドバーにはメモアプリのGoogle KeepとGoogle TasksというToDoアプリも統合されている。残念ながら今のところKeepのメモをメールに添付したり、逆にメールをKeepにドロップしたりはできないようだ。Google Tasksはメールに多少連動しており、メールをTasksにドラグしてきて新しいタスクとすることができる。私は普段ToDoリスト管理にTrelloのアドオンを使っているし、Gmail自身のアドオンにもこの機能がある。とはいえサイドバーにTasksが統合されれば使いみちは広いだろう。

UIのデザインも一新されたが、行間も3段階に調整できるなど従来の機能はすべて維持されている。デフォールトがいちばん行間が広いが、添付ファイルの表示に新機能が追加されている。単にペーパークリップのアイコンで添付ファイルがあることを示すのではなく、件名の下に添付ファイルのアイコンとファイル名名の冒頭が表示される。

受信者はメール自体を開かずアイコンをクリックして直接添付ファイルを開くことができる。

繰り返しになるが、メッセージのソート、フィルター、スターを付けるなど従来のGmailの機能はほとんどすべて維持されている。メイン、ソーシャル、プロモーション、新着、フォーラムに自動的にメールを分類する機能が気に入っている場合は引き続き利用できる。またページの左下端にはハングアウト関係のアイコンが表示される。Googleがハングアウトで何を目指しているのかいまいち不明だが、ともあれここに表示されることになった。

新バージョンはGmailアカウントを持つユーザーすべてに向けて順次公開中だ。設定(歯車アイコン)に「新しいGmailを試す」というオプションが表示される。これまでのアップデートと同様、現在は「以前のGmailに戻す」ことが可能だ。将来ある時点でGoogleはGmailを完全に新バージョンに固定するのだろう。G Suiteの管理者が新バージョンを使う場合、G Suite Early Adopter Programを有効にしておく必要がある。

〔日本版〕記事本文では「メールを開いた状態でスヌーズできない」とあるが、訳者のアカウントではメールを開くと件名上部のバーに一連のアイコンが表示され、時計アイコンをクリックすればスヌーズが実行できる。逆に訳者のアカウントでは「自動消滅」機能は未公開。現在アカウントによって利用できる機能に差があるものと思われる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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