GoFundMeの寄付総額が30億ドルを突破、過去5ヶ月間だけで10億ドルの伸びを見せる

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先日、PayPalによるクラウドファンディングプラットフォームGoFundMeの買収の可能性について報じた際に、GoFundMeの急激な成長や、”お金の印刷工場”という例えについて触れていた。そしてGoFundMeは本日、それを裏付けるような数値を発表した。同社のプラットフォーム上に集まった寄付金の総額が30億ドルを超えたのだ。それだけでも素晴らしい数字だが、GoFuneMeはたった5ヶ月前の今年5月に、寄付総額が20億ドルを突破したと発表したばかりだったことを考えると、そのすごさがよく分かる。

興味深いことに、GoFundMe上での寄付総額が伸びる一方で、ユーザーベースはそこまで拡大していない。同社はプラットフォーム上での寄付総額と一緒に寄付者数についても発表したが、その数は2500万人と5月に発表された数字から変わっていなかった。このことから、リピーターの増加や、ひとりあたりの寄付の額が増えていることが考えられる。

ひとりあたりの寄付金額の増加は、GoFundMeのビジネスが成熟していく中で間違いなく起きている。慈善活動やその他のキャンペーンに関連した資金を集めるためのプラットフォームであるGoFundMe上では、最近ルイジアナ州で起きた洪水で被害を受けた人への支援金として1100万ドルの寄付が集まったほか、フロリダ州オーランドのナイトクラブPulseで起きた銃乱射事件の犠牲者やその家族のための募金にも780万ドルが集まったと同社は話す。

Facebookなどのソーシャルプラットフォームを利用し、GoFundMeは、苦しんでいる人たちに対して金額の大小を問わず、手を差し伸べることができるユーザーベースを構築してきた。ソーシャルメディアのバイラルな性質から、資金を集めている人が当初可能だと思っていた範囲を大きく越えるようなキャンペーンも生まれている。冒頭の写真に写った、シカゴに住む“Paleta(アイスキャンディーブランド)男”Fidencioのキャンペーンでは、当初の目標である3000ドルを大きく超え、最終的には100倍以上の38万4270ドルにおよぶ寄付が集まった。

プラットフォームが成長していくと同時に、GoFundMeは詐欺や怪しい動きの取締にも力を入れている(これまでにそのようなケースが実際起きている)。

GoFundMe自身も最近、寄付者や資金を集めている人に対して限定的な補償サービスを提供し始め、両者ともキャンペーンに何か問題が生じた際に、1000ドルから2万5000ドルの保証金を請求することができる。なお、現状この保障制度はアメリカとカナダでしか利用できない。

GoFundMeは、2008年にサンディエゴで、Andrew BallesterとBrad Damphousseによって設立された。KickstarterやIndiegogo、Tiltといったさまざまな種類のクラウドファンディングサービスを提供する企業と競合する中、先日同社は資金調達(調達額は非公開)を行い、そこではAccelとTechnology Crossover Venturesがリードインベスターとなったほか、Iconiq CapitalやGreylock、Meritechもラウンドに参加していた。さらにその1ヶ月後には、StripesもGoFundMeに投資していたことが分かった。

その際の契約の一環として、投資家が株式の過半数を保有し、ファウンダーのふたりは経営を担うポジションから外れることになった。そして、新たにAccelでベンチャーパートナーを務めるRob Solomonが同社のCEOとなり、GoFundMeのバリュエーションは約6億ドルに達した。当時GoFundMeは、毎月1億ドルにおよぶプラットフォーム上のさまざまなキャンペーンに集まった資金を決済し、年間300%の成長を遂げていると推測されていた。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

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TechCrunch Japan

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