Google、スプレッドシートにピボットテーブル自動作成ツールを追加

読者の会社にもピボットテーブルの奥義をマスターした表計算ソフトの達人がいて、一見わけがわからない数字の山から重要な洞察を導き出していることだろう。この能力がわれわれ凡人とエリートの間を隔てていたわけだが、Googleはこの問題の民主化に動いた。今日(米国時間12/6)の発表によれば、最新版のGoogleスプレッドシートはピボットテーブルの自動作成機能を備える。

Googleはこの問題の解決にあたって人工知能を利用している。 新機能はスプレッドシートに昨年Googleが追加したデータ探索(Explore)機能から利用できる。今回の新機能の目的はデータから有用な情報を抽出するプロセスの自動化だ。

機械学習の適用により、ピボットテーブルの使い勝手にいくつかのブレークスルーがもたらされた。まず第一にピボットテーブルの対象となる行、列を手動で選択する必要がなくなった。Googleスプレッドシートはユーザーのデータを解析し、適当と思われるピボットテーブルを自動的に作成する。ピボットテーブルが必要になるたびに達人の助力を乞う必要がなくなった。誰でもクリックするだけでピボットテーブルを得ることができる。

Gif: Google

また「データ探索」に自然言語でクエリーを行うインターフェースが追加された。この機能は現在は英語のみだが、やがてすべての言語がサポートされるはずだ。スプレッドシートのシステムはピボットテーブルから必要なデータを探して出してくれる。ユーザーが自分で複雑な式を書いたりソートしたりする必要はない。質問せよ、さらば答えが与えられるだろう(もちろんソースデータが適切な答えとなるデータを含んでいる場合だが)。

ピボットテーブルに詳しいユーザーはもちろん従来どおり手動で作成できるが、その場合もGoogleは機械学習による分析をサジェスチョンとして提供してくれる。

また新しいピボットテーブルはデータ抽出に便利だというだけでなく、デザインも改良されている。GoogleはUIをアップデートし、見出し、行、列をカスタマイズできるようになった。

Googleはピボットテーブルに限らず、スプレッドシートに全体に人工知能の適用を開始したので、たとえばユーザーがデータを入力したときに、役立ちそうな関数が「おすすめ」としてポップアップ表示される。もっとも役立つときは便利だが、見当外れな場合はわずらわしいだろう。

Googleでは、これらの機能に加えて向こう数か月でさらに多くの機能を追加していく計画だという。

Featured Image: Jon Russell/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN MODIFIED)

〔日本版〕Googleスプレッドシートの機能は設定が英語と日本語の場合で大きく異なる。上記新機能は「自然言語で質問するとスプレッドシートがピボットテーブルを作成して答えてくれる」というものだが、現在は英語版でのみ利用できる(Googleドキュメントホームのトップ右端の歯車アイコンから言語を変更できる)。なおこの記事の翻訳時点では原文の最初リンク(Googleブログ)のリンクはURLにタイプミスがあるため作動しなかった(ピリオドがURL末尾に含まれているため)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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