Google、簡単に使えるメール暗号化用Chromeプラグインの開発を準備中

Googleが本日アナウンスしたところによれば、ウェブベースのメールサービスで利用できる、簡単なエンドツーエンドな暗号化プラグインのリリースに向けて準備中であるようだ。暗号化技術としては、標準のOpenPGPを用いるとのこと。

Googleの狙いは、テック系以外の人も簡単にメールの暗号化を行えるようにしようとすることだ。現在もMailvelopeなどの拡張機能もあるが、Gmailや一般的なメールサービスを使いながら、メールの暗号化を行うのはなかなかとっつきにくいものとなっている。使い勝手の悪さやわかりにくさのせいもあって、現在のところはメールの暗号化を行っている人はあまりいないという状況だ。

ちなみに、Googleはプロジェクトが進行中である旨をアナウンスはしたが、プラグインのリリースはまだ行っていない。ソースコードを公開してテストを行い、広く意見を求めているところだ。OpenSLLライブラリではHeartbleedバグもあったことであり、より慎重な姿勢をとっているということなのだろう。「不完全な状態で世に出せば、さまざまな亜種が生まれてしまうことにもつながります」ということも懸念しているようだ。これもまた正しいスタンスだろう。

このプラグインはVulnerability Reward Programに属する。したがって、問題点を発見した人には報奨金が支払われることになる。

アナウンスによると「ウェブベースのメール」を使っている人は「誰でも」利用できるようになるとのこと。すなわちGmailだけでなく、他のメールサービスでも利用できるようになるということだ。メールというのは送信人がいれば受取人もいるわけで、Gmail以外でも利用できるようにするというのは、当然の選択肢だろう。

プラグインがどのようなものになり、どの程度簡単に利用できるようになるのかについてはまだわからない(まだ多くのテストを経てさまざまな改良がなされることになるのだろう)。利用する公開鍵方式の暗号化技術を使うには、なかなか複雑な手順が必要となるのがこれまでの常だった。これを広く一般の人にも使ってもらえるシステムにしようというのが、なかなか難しいものであることは否めない。

ちなみに、暗号化用拡張機能の話のみでなく、Googleは「送信中メールの暗号化」と題した「透明性レポート」も公開した。送信者受信者間でメールが流れていく際に、どの程度の暗号化が行われているのかということを検討したものだ。現在のところはGmailから送信する場合は65%ほどが暗号化されるようになっているとのこと。他サービスからの受信メールについてみると割合は低下し、暗号化率は50%ほどになるとのことだ。ドメイン毎の暗号化率などについても「送信中メールの暗号化」のページで確認することができる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。