Google、CESに拠点を構える

Googleがやってきた。そして何か大きなことを計画しているようだ。ラスベガスコンベンションセンターに向かうParadaise Roadを走っていて、この会社の存在を見落とすことはない。駐車場に作られたGoogleのブースは、多くの他社と同じくまだ建設中だが、白と黒の巨大な “Hey Google” の看板はすでに高く掲げられ、数ブロック先からでも目に入る。

これはイベントに前に同社から送られた風変わりな招待状 のデザインをわずかに変えたもので、仮設ブースの側面のネオンブルーのループ状スライダーにいたるまで再現されている。

そしてGoogleがこれ以上このイベントに何を注ぎ込めるのかと思った矢先、ラスベガスを走るモノレールの線路を行き交う車両に見逃しようのない大きな文字で “Hey Google” と描かれているのが目に入った。

Googleの動きは急だった。これまで同社のソフトウェアソリューションの肩に乗ったサードパーティー以外、このショウでGoogleの存在感はほとんどなかった。それが突然、どこへ行ってもGoogleだ。もちろん前兆はあった。昨年のMobile World Congressでは大きな展示を出し、スムージーや砂で作ったAndroidの彫像まであった

もちろんモバイル専門のイベントにAndroidメーカーが出展するのは理にかなっているが、CESははるかに巨大で広範囲にわたる化け物イベントだ。しかし、筋書きは一貫している。MWCでのGoogleは、端末上のAssistantがすべてだった。過去1年、Googleはスマートホームの主導権をめぐってAlexaと激しい戦いを展開してきた。2017年に同社は様々なHomeファミリー製品や新しいスマートイヤホンを発売するとともに、サードパーティー製スマートスピーカーへのAssistant搭載を進め始めた。

そのサードパーティーとの提携が、このイベントの鍵になりそうだ。同社自身のI/Oイベントのように新製品の発表があるかどうかはわからない。しかしCESは、様々なパートナーとの関係を次のステップへと進める理想的な舞台だ。Sony、HTC、Lenovo、LG等々、主要なハードウェアメーカーが勢ぞろいしている。
独自のアシスタントBixbyを開発しているSamsungは、Googleと手を組む動機付けが必ずしも強くないが、それ以外のメーカーにとってGoogleエコシステムの構築に手を貸すことで得られるものは大きい。Alexaと同じく、スマートスピーカーから他の家電製品へと展開を進めていくことはこの手のイベントでは当然の流れだ。

そしてGoogleにとって、これはAlexaの影から抜け出しスマートホーム分野での地位を確実なものにする絶好のチャンスだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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