Google、Facebookも狙っていたと噂の長時間滞空ドローンのTitan Aerospaceを買収

なかなかドラマチックな展開となった。Wall Street Journalによれば、Googleは高空に長時間滞空するドローンのTitan Aerospaceを買収した。

このスタートアップは最近、Facebookが買収のターゲットにしているという噂が流れていた(こちらはTechCrunchの記事)。Googleの買収の詳細は明らかになっていないが、Facebookはこの発表の直前にTitan Aerospaceのライバルでイギリスのスタートアップ、Ascentaをインターネット接続網の世界的展開のために買収している。

AscentaとTitan Aerospaceは共に大気圏上層に長時間滞空できるドローンの開発を目的としている。これによって世界のどんな辺鄙な場所にも安価なインターネット接続を提供しようという計画だ。WSJによれば、GoogleはTitanAerospaceのテクノロジーとノウハウをProject Loonに利用するという。Googleが取り組んでいるこのプロジェクトは高空を漂う気球によってインターネット接続を提供しようというものとされている。

しかしProject LoonだけがTitanのどローンの使い道ではないはずだ。このドローンを使えばリアルタイムで地表の高精細度画像を得られるから、マップの強化に大きな効果がある。「災害救援や環境保護にも役立つだろう」とGoogleの広報担当はWSJに語った。しかしやはり最大の目的は、Facebookもそうだが、これまでインターネットが普及していなかった地域への高速接続網の提供だ。両社とも世界指折りの大企業になったことに安住せず、新たな帝国づくりに熱意を燃やしている。

GoogleやFacebookのような大企業に買収されるというエグジットがTitanのようなスタートアップにとって現実的でもあれば有利でもあるという点についてはわれわれのSarahPerez記者がTitanがベンチャーキャピタリストの強い関心を呼ぶという記事で説明している。Titanの大型ドローンは6万5000フィート(20km)上空を太陽電池を動力にして3年にわたって飛び続けることができるようにすることが目標だ。しかし最近開発に必要な巨額の資金の調達が難しくなっていると報じられていた。

Googleも最近、Project Loonで利用する予定のプロトタイプの気球が驚くほど短期間で地球を一周することを実証するデモに成功している。しかしインターネット接続を提供する上で、操縦可能で災害救援などの緊急事態にも対応できるドローンの方が何かと便利であることは否めない。 気球とドローンの双方を利用するハイブリッドシステムも研究されているかもしれない。

Titan Aerospaceは、Googleのロボット・テクノロジー関連企業の買収の最新の例でもある。 Googleはこれまでロボット事業の新たな総責任者、Andy Rubinの指揮のもと、Boston Dynamicsはじめ7社の有望なロボット企業を買収している。 Googleのロボット事業に対するビジョンは謎めいた部分が多いが、Titanの場合は目的がはっきりしている珍しい例といえるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+