Googleが、開発プラットフォームのFirebaseをCloud Platformへより深く統合

Googleが2014年に買収したモバイルアプリ開発プラットフォームFirebaseの大規模なアップデートが、 サンフランシスコで開催中のGoogle Cloud Nextで今日(米国時間3月9日)発表された。このアップデートの基調となるテーマは、Firebaseをより一層Google Cloud Platformと統合されたものにすることだ。例えば、AWS Lambdaに対抗する「サーバーレス」プラットフォーム機能であるGoogle Cloud Functions(現在公式ベータテスト中)へのサポートの追加などが挙げられる。Firebaseはまた、Google Cloud Platformが現在提供する全てのストレージオプションへのサポートを提供する。

Firebaseの共同創業者であるJames Tamplinが私に語ったように、Firebaseは常に、Googleのクラウドエコシステムへの簡単な入口としての役割を果たしてきた。基本的に、サービスの背後にあるアイデアは、開発者たちにシンプルなBaaS(backend-as-a-service)プラットフォームを提供し、開発者たちを独自のインフラの構築とサーバーの保守作業から解放するというものだ。しかしアプリのユーザーが増え、機能が成長するに従い、開発者たちは必然的により進んだユースケースをサポートするサーバーをセットアップしなければならなくなる。

Googleは、当然のことながら、そうした開発者たちにCloud Platformへの簡単な移行を提供したいと思っているが、Firebaseもまたこうした先進機能をサポートするように拡大している。このステップにおいてCloud Functionsのサポートは自然な流れだ、その利用により開発者たちはサーバーを保守することなく、より複雑なプログラムを運用することができるのだ。実際、Cloud Functionsのサポートが、Firebase開発者から1番要求の寄せられていた機能だと、Googleは言っている。Firebase SDK向けの新しいCloud Functionsは、Firebase Analytics、リアルタイムデータベース、そして認証並びにストレージサービスからのイベントを受け取ることが可能で、それに対応するCloud Functionsを起動することができる。

Firebase Storage(今回Cloud Storage for Firebaseと呼ばれるようになった)もアップデートされて、Googleの他のクラウドストレージソリューションと足並みが揃った。それが意味するのは、例えば、(あまり定期的にアクセスされないデータを保存するためのGoogleのソリューションである)NearlineとColdlineへのサポートが提供されるということだ。また開発者は、どのリージョンにデータを保管したいかを選べるようになった。これはデータの統治問題を気にしなければならない開発者たちにとって、特に重要である。

これに加えて、Googleは、Google Cloud Platformのサービス利用規約を拡張してFirebaseをカバーするようにしている。Tamplinが指摘したように、これは企業にとってとても関心が持たれる部分だ。何故ならこのことによって、彼らの弁護士たちが、Cloud PlatformとFirebaseの双方を1箇所でチェックすれば良いだけになるからだ。Google Cloud Platformのサービス利用規約はFirebaseのサービスを、認証、ホスティング、ストレージ、Functions、そしてFirebase Test Labに関するものとしてカバーする。Firebase Analyticsサービスは、近い将来に、Google Analyticsのサービス利用規約の下に移動する。

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(翻訳:Sako)

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TechCrunch Japan

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