Googleが「責任あるAI」部門に新たなリーダーにマリアン・クローク博士を任命

Google(グーグル)は、Google Researchの「責任ある人工知能(AI)」部門のリーダーにMarian Croak(マリアン・クローク)博士を任命したと、Bloombergが米国時間2月18日に報じた。クローク博士はそれまで、同社のエンジニアリング担当副社長を務めていた。

クローク博士の新しい役職は、アクセシビリティ、社会的利益のためのAI、健康におけるアルゴリズムの公平性、脳の公平性、倫理的AIなどに取り組むチームを監督することだ。彼女の直属の上司は、Google ResearchのAIと健康部門のSVPであるJeff Dean(ジェフ・ディーン)氏になる。このニュースを認めたGoogleのブログ記事と動画の中で、クローク博士は次のように述べている。

この分野、責任あるAIと倫理の分野は新しいものです。ほとんどの機関はこの5年ほどで原則を策定してきましたが、それは非常に高レベルで抽象的な原則です。これらの原則の規範的な定義を標準化しようとすることに対して、多くの反対意見があり、多くの対立があります。誰が定義した公平性や安全性に、私たちは従うのか?現在、この分野では多くの対立があり、二極化していることもあります。私がしたいことは、人々に今よりもっと外交的な方法で、対話してもらうことです。そうすれば、私たちはこの分野を真に発展させることができるでしょう。

今回の件はすべて、Googleの倫理的AIチームで共同リーダーを務めていたTimnit Gebru(ティムニット・ゲブル)博士の辞職と、Googleの倫理的AIチームの創設者である研究者のMargaret Mitchell(マーガレット・ミッチェル)氏が企業アカウントをロックされた後の出来事だ。Axiosの報道によると、Googleは2021年1月、自動化されたスクリプトを使ってゲブル博士が虐待されていた例を探したとして、AI倫理研究家のマーガレット・ミッチェル氏の企業アクセスを無効化したという。Googleは彼女が辞職したと主張しているが、同社から解雇されたとゲブル氏は語っている。Googleは当時、Axiosに送った声明で次のように述べている。

当社のセキュリティシステムは、従業員の企業アカウントが信用性の問題により危険にさらされていることを検出した場合や、機密データの取り扱いを含む自動ルールが発動された場合、アカウントを自動的にロックします。今回の例では、昨日あるアカウントが数千ものファイルを流出させ、複数の外部アカウントと共有していることがシステムによって検出されました。我々は、その従業員に本日の早い段階でこのことを説明しました。

ミッチェル氏はまだアカウントをロックアウトされたままであり、Bloombergの記事を見て初めて組織再編のことを知ったと、2月18日にツイートしている。

私はこの記事で知りました。信用を取り戻してくれて本当に良かった。私は完全に消されてチームを奪われてしまったようです。

TechCrunchは、これがミッチェル氏にとって何を意味するのかを判断しようとGoogleに連絡を取ったが、同社は彼女についてのコメントを辞退した。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Google人事

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Megan Rose Dickey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

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