GoogleがコンピュータービジョンアプリFabbyを作ったAIMatterを買収、広告技術のイノベーションに利用か

【抄訳】
Googleがベラルーシで生まれたコンピュータービジョンのスタートアップAIMatterを買収した。同社は、画像の検出と処理をモバイルデバイスの上で高速に行うニューラルネットワークベースのAIプラットホームおよびSDKと、その技術の概念実証のような写真/ビデオ編集アプリFabbyを作っている。

買収の噂は5月からあったが、公式に完了したのが今日(米国時間8/16)だ。両社は買収を確認し、AIMatterのサイトには声明文がポストされた。

買収の価額等は公表されていないが、すでに200万以上ダウンロードされているFabbyはそのまま操業を続け、AIMatterの社員の多くはGoogleに移籍するようだ。AIMatterの社員たちは、ミンスクとベイエリアとチューリッヒに分散していた。とくにスイスは、コンピュータービジョンの技術が高度に発達している場所として有名だ(本誌関連記事: これこれ、そしてこれ)。今後彼らがどうなるのか、全員がGoogleに移籍するのか、等については現状では不明だ。

FabbyはこれまでHaxusなどから約200万ドルを調達している。ベンチャーファンドHaxusは主に人工知能のスタートアップを支援している。またAIMatterの協同ファウンダーで会長だったYuri Melnichekは、今では同社の投資者そしてアドバイザーになっている。彼はMaps.meのファウンダーでもあり、元Googleの社員だ。そしてAIMatterのCEO Andrei Kulikも、投資に参加している。

Haxusは、のちにFacebookに買収されたMSQRDにも投資している。またMelnichekのMaps.meにも投資しており、こちらはMail.ruに買収された。そしてあの人気の写真/ビデオ加工アプリPrismaにも、Haxusは投資している。

しかしこれからのコンピュータービジョン技術は、楽しいお遊びアプリに終わることなく、仮想/拡張現実や、自動運転車の技術など、重要な分野で利用されていくだろう。Googleには、次世代型ソーシャルアプリケーションを開発中との噂があり、そこではコンピュータービジョン技術がオーディエンスの獲得だけでなく、広告事業のための新しい技術としても活用されるのだろう。

【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。