Googleがサンフランシスコ湾に巨大な水上店舗を建設中–小売ビジネスでもAppleと勝負か

Googleが今週からずっと、サンフランシスコ湾に目的不明の巨大な艀(はしけ)を停泊させて、注目されている。用途についていろんな噂が飛び交っているが、中には、Googleが特許を取った浮動型データセンターだ、という説もある。しかし、地元ベイエリアのCBS関連会社やCNETの報道は店舗説を掲げ、さきほどCBSも(9to5Googleで)、その説を複数の情報筋から確認した。

本誌の情報筋も、その艀がGoogle Glassの展示~小売施設だとするさまざまな噂や報道は正しい、と言っている。

それらの情報筋も、サンフランシスコのTreasure Islandの後ろに係留されている問題の艀の用途について確定情報は持っていないが、いちばん近い線としては、小売販売を目的とするGoogle Glassの展示スペースだろう、と言う。

CBSの報道は、甲板がパーティー会場で下がGlassなどのGoogle製品を展示販売するスペースとなる豪華なショウルームである、と述べている。その話は、本誌の情報筋が言ったこととほぼ符合する。

CBSの関連企業KPIX 5によると、艀には最終的にはGoogle Glassなどのガジェットを展示する豪華なショウルームとパーティー用のデッキが敷設され、選ばれた顧客~見込み客だけが招待されて機器のデモや試用などを体験する。これを構想したのは、Google Glassや自己運転車などの実験的な製品を生んだGoogleの‘秘密の研究所’Google Xで、Googleの協同ファウンダSergey Brinが管轄している。この小売用の艀の実験も、中心的人物はBrinらしい。そしてCBSの報道は、それはAppleの強大な小売プレゼンスに対抗するためだ、と言っている。

現時点では豪華なショウルームらしさはなくて、船台の上にモジュール形式の長さ40フィートの船舶用コンテナが、積み木のように横や縦に連結されている(上図)。これらは、簡単に分解して折りたたむことができる。Googleはこれをトラックや貨物列車にも乗せると言っているらしいから、必ずしも海と港に限定された話題ではない。Googleの最新テクノロジのロードショーが、文字通りroad showになるのだろう。

CBSによるとこの艀は、沿岸警備隊が対応を検討しているのでローンチが予定より遅れる。しかし沿岸警備隊は、Googleと歩調を合わせて、艀の用途や目的を記者たちに明かさなかったそうだ。

今年の初めに流れた噂では、Googleは今年のクリスマス年末商戦に間に合うように小売店舗を開設する、となっていた。金持ち客をねらった豪華な水上店舗を派手にローンチしたら、それはGoogleの小売事業のスタートにふさわしいかもしれない。そしてそれは、Chrome OSやNexusなど既存の製品と、Google Glassのような実験的なプロジェクトの両方にとって、知名度を上げる好機になるだろう。とくに後者は、消費者層への幅広い浸透が、これからの大きな課題だ。

画像クレジット: CBS KPIX 5

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))