Googleがデータ分析スタートアップのLookerを約2860億円で買収完了

Google(グーグル)がデータアナリティクスのスタートアップであるLooker(ルッカー)を26億ドル(約2860億円)で買収するとの発表は、二重の意味でインパクトがあった。金額が大きかったことと、Thomas Kurian(トーマス・キュリアン)氏がリーダーになって最初の大規模な取引だったことだ。2月13日、Lookerは取引が正式に完了したことを発表し、Google Cloud Platformの一部となった。

キュリアン氏はLookerが正式にGoogleファミリーの一員になったことを歓迎すると発表したが、ブログ投稿で同社がGoogle以外の複数のクラウドベンダーを引き続きサポートしていくと表明した。

「Google CloudとLookerは、オープンソリューションを提供し、顧客の場所を問わずサポートするという哲学を共有している。Google Cloud、ほかのパブリッククラウド、オンプレミスかを問わない。多くの組織がマルチクラウド戦略を採用する中で、Lookerの顧客やパートナーは、Amazon Redshift、Azure SQL、Snowflake、Oracle、Microsoft SQL Server、Teradataなどを含むすべてのクラウドデータ管理システムに関して継続的なサポートを期待できる」とキュリアン氏はブログ投稿に書いている。

今回のような買収取引に典型的なことだが、LookerのCEOであるFrank Bien(フランク・ビエン)氏は、自社よりはるかに大きいGoogleの経営資源を利用すればより速く成長できるとみている。「Google Cloudと一緒になれば、幅広い顧客へのリーチや経営資源の強化が可能になるだけでなく、アナリティクスとクラウドインフラストラクチャーの両面で最高の頭脳を結集して、顧客とパートナーのためにエキサイティングな道を築くことができる。 Lookerが7年前に目指したミッションに対して、本日重要な一歩を踏み出す」と、ビエン氏はブログ投稿に書いた

買収が公表された6月、Lookerはデータを処理、理解、分析、視覚化するプロセスを描いたスライドの中で、同社の「Smart Analytics Platform」の立ち位置を示した。Lookerは、他のクラウドのサポートも継続するが、スライドでは視覚化の領域に収まっている。

スライド: Google

Lookerは2011年創業で、Crunchbaseによるとこれまで2億8000万ドル(約310億円)以上を調達した。既存投資家には、Redpoint、Meritech Capital Partners、First Round Capital、Kleiner Perkins、CapitalG、PremjiInvestなどが名を連ねる。買収前の最後の資金調達は2018年12月のシリーズEで、16億ドル(約1760億円)のバリュエーションで1億300万ドル(約110億円)を調達した。

画像クレジット:Google

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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