Googleがモバイルコンテンツ高速化技術AMPをOpenJS Foundationに持ち込む

モバイルのウェブをスピードアップするGoogle(グーグル)のプロジェクトであるAMPは、やや批判もあったが、一貫してオープンソースであるにもかかわらずGoogleの影がつきまとっていた。しかし米国時間10月10日にGoogleは、AMPフレームワークがOpenJS Foundationに加わると発表した。このLinux Foundation傘下のグループは昨年、Node.jsとJSの両ファウンデーションの合併により誕生した。OpenJS Foundationは現在、jQuery、Node.js、webpackなどの本拠地で、AMPはこのファウンデーションのインキュベータ事業に加わる。

Googleのような大企業は、安定に達したオープンソースのプロジェクトをファウンデーションに寄贈する傾向がある。今年で4歳になるAMPプロジェクトもまさにそのケースに相当し、Googleによると今ではそれは、3000万以上のドメインで数十億のページの制作に使われている。昨年GoogleはAMPの開発を監督するTechnical Steering Committee(技術的方向性委員会)を立ち上げたが、その委員会はプロジェクトをOpenJS Foundationに持ち込むことで合意していた。

そのTechnical Steering CommitteeのメンバーMalte Ubl(マルテ・ウブル)氏が本日の発表声明で次のように述べている。「今年で4年になるAMTがその旅路の次のステップに進むことは極めて喜ばしい。このところ私たちは、AMPに最良の家を与えることを考えていた。OpenJS Foundationに決めたのは、当委員会の多様なメンバーのお世話をするために最適の場所だからだ。このステップは、オープンな統治に向かうこの前のステップの次の一歩であり、これにより透明性とオープン性に一層フォーカスできるようになる」。

Googleによると、JavaScriptとその関連技術の振興を目標とするOpenJS Foundationは、「ウェブのコンテンツにユーザーファーストのフォーマットを提供する」AMPのミッションと相性がいい。また同社によると「同ファウンデーションではプロジェクトのアイデンティティと技術的フォーカスを維持でき、またAMPの統治モデルはすでにJS FoundationとNode.js Foundationからの影響でできたことを強調したい」という。

Googleは今、OpenJS Foundationの最上位の会員種別であるプラチナ会員であり、AMPプロジェクトのサポートを継続するとともに、AMPにフルタイムで関わるエンジニアを数名起用する。

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画像クレジット: Google

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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