Googleが在宅勤務が進む企業向けに役立つChrome OSの機能を多数発表

2020年、企業の在宅勤務への移行が進むと、インターネットでの作業が当たり前になった。そこで、Chrome OSがクラウドベースのアプリケーション用に構築されたオペレーティングシステムであることがはっきりした。ただほとんどの場合、企業における利用方法は若干複雑なものだ。Google(グーグル)は10月20日、IT部門がChrome OSで動くマシンを簡単に配布できるようにするいくつかの新機能を導入した。

クラウドへの移行はここ数年続いていたが、間違いなくパンデミックは企業に従前より速い動きを促すことになった、とChrome OSのエンジニアリングおよびUXのプロジェクトマネージャーであるJohn Maletis(ジョン・マレティス)氏はいう。「新型コロナウイルスの環境下であらゆる企業が求めているのは、労働力が分散している、つまりオフィスに何人かの従業員はいるが、ほとんどは家から働いているという状況で生産的でもあるという状態です。その動きが急速に加速しています」とマレティス氏はTechCrunchに語った。

そのために、グーグルのグループプロダクトマネージャーであるCyrus Mistry(サイラス・ミストリー)氏は、IT部門がChrome OSを簡単に実装できるようにしたいと考えており、それに役立つ機能を多数追加したと述べた。まずグーグルは無料の準備ツールを作成した。これによりIT部門は、Chrome OSで実行可能なアプリケーションと、そうでないアプリケーションを簡単に見分けることができる。ツールからは3色のレポートが発行される。緑は実行可能、黄色は可能性が高く、赤は実行可能でないことがはっきりしている。

黄色や赤のカテゴリーのために、同社はChrome OSでParallels(パラレルズ)が利用可能になると発表した。Chrome OSで実行できないWindowsアプリケーションを使用している企業が仮想マシンのWindows上でネイティブに実行できるようになる。ミストリー氏は、この方法でWindowsを実行したい企業はこのアプローチを可能にするリソースを備えたハイエンドのChromebookが必要となると認めた。だが重要なWindowsアプリケーションを使用している企業にとって、これはChromebookの使用をより多くのユーザーに拡げるための良い方法だ。

「ゼロタッチと呼ばれる方法を実行できます。これは、デバイスがメーカーによってすでに登録されていることを意味します。メーカーがドメインを認識し、直送できるようになります」とミストリー氏は説明した。つまり、これらのマシンには、IT部門がユーザー用にマシンをセットアップしたかのように、適切な設定、ポリシー、アプリケーション、証明書などが装備される。

IT面の生活を快適にするもう1つの方法として、グーグルはChrome OSでの動作が認定されている、Salesforce(セールスフォース)、Zoom(ズーム)、Palo Alto Networks(パロアルトネットワークス)などの認定アプリケーションの新しいセットを提供する。最後に、同社は複数の仮想作業領域の間でのドラッグアンドドロップ機能とともに、Chromeブラウザでタブをグループ化して検索する機能を発表した。今後2カ月程度で準備が整うはずだ。

マレティス氏が指摘するように、同社が約10年前にChrome OSをリリースしたときには市場に先んじていたかもしれない。今年はっきりしたのは、企業は事業を継続するためにクラウドを必要としており、Chrome OSはクラウドのためにゼロから開発されたオペレーティングシステムだということだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleChrome OS

画像クレジット:Boston Globe / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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