Googleが広告ブロックアプリのストア取り下げを撤回

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Googleは先日下したGoogle Playストアから広告ブロックアプリを取り下げるという判断を撤回したようだ。GoogleはAdblock Fastをストアから取り下げ、Crystalの広告ブロックアプリなどについてはアップデートの承認を見合わせていた。Adblock Fastを開発しているRocketshipはGoogleに要望を提出したのに伴い、Googleは彼らのアプリを改めて承認し、Google Playに再掲載した。

この判断はAndroid端末用のアプリストアにどのようなアプリを承認するかというGoogleの見解が変わったことを示す。

この状況について良く知る情報筋からTechCrunchは、そもそもGoogleは広告ブロックの機能があるモバイルブラウザのみを承認する判断だったという話を聞いた。例えば、Adblock Plusのブラウザといったビルトインの広告ブロック機能を持つものやエクステンションで広告ブロックに対応するFirefox、Javelin、Dolphinブラウザなどだ。

そしてCrystalやAdblock FastといったAPK経由で配信されるスタンドアローンの広告アプリは新ガイドラインの下では承認しないとGoogleは決めていたそうだ。

それらのアプリは、2月の初めにSamsungが自社のモバイルウェブブラウザで広告ブロック機能に対応したのに続いて誕生したものだ。その機能はAppleのSafariの広告ブロック対応と同じように使うことができる。つまり、サードパーティの開発者はSamsungの新しいコンテンツ・ブロッカーAPIを使って、広告やトラッカーといったウェブページの読み込みを遅くする望まないコンテンツをブロックするアプリをこのブラウザを活用して構築することができるようになる。

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GoogleがAdblock Fastを戻す前から、先日の判断について議論しているように見受けられた。Googleのポリシーの適応がまちまちだったからだ。

例えば、Adblock Fastの掲載は取り下げられたが、Crystalは足止めされただけだった。Googleはアプリのアップデートの承認を止めただけで、その理由にGoogle Play デベロッパー販売 / 配布契約に違反していることを挙げた。

条項4.4でGoogleはサードパーティ開発者に対し、「第三者(Android ユーザー、Google、およびあらゆる携帯電話会社を含むが、これらに限定されない)の端末、サーバー、ネットワーク、またはその他の財産またはサービスの妨害」をしてはならないと示している。

それ以上の説明は提供されていないが、影響を受けた開発者はGoogleの決定は、Samsungのウェブブラウザに干渉してはならないという意味だと理解していると話した。

この決断は広告ブロックのAPIをリリースしたSamsungの意図と辻褄が合わない。そもそもSamsungはサードパーティ開発者にそうしたアプリの制作を促すために公開したのだ。

TechCrunchはGoogleの状況に詳しい人から、Googleは承認されたAPIなどのチャネルを使って他のアプリと連携するアプリを承認するようになると聞いている。そして他のアプリを非承認の形で妨害するアプリは引き続きGoogle Playでは認めないという。

Rocketshipはアプリのアップデートが断わられた月曜日にGoogleに要望を提出した。そしてアプリは火曜日にアプリストアから掲載が取り下げられた。

本日、Rocketshipはそこからの経緯を説明した。Rocketshipは金曜日にGoogleが彼らの要望を認める内容のメールを受け取り、今朝アプリが再掲載された。

Google Playに再掲されたと同時にRocketshipはアプリをバージョン1.1.0のアップデートも認められた。このバージョンではAndroid 4.0まで対応を拡充し、まだSamsungのウェブブラウザをインストールしていないユーザーの導入までの流れを明確にしている。

Googleは判断をころころ変えているが、他の広告ブロックを制作しているところはGoogleのポリシーの変更にさほど影響を受けていないようだ。例えばAdblock PlusはSamsung Browser用の広告ブロックをリリースしているが、Googleから連絡も来ていないし、アプリも取り下げられていないと私たちに話した。

Crystalも引き続きオンラインで入手できる。Crystalの開発者であるDean Murphyは、Googleに何回か要望を送り、ようやくアップデートが承認されたという。

Googleにも問い合わせたが、コメントは差し控えている。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter