GoogleとCyArkが協力して世界中の著名な史蹟や遺跡を3Dモデルで保存、その中を歩き回れる

インディ・ジョーンズの“これは博物館のものだ!”、という叫びがデジタルの時代へタイムスリップしたら、遺跡をクラウドに保存しようとするGoogleのプロジェクトになるだろう。

Googleの非営利事業部門Arts and Cultureが、オークランドの同じく非営利のCyArkとパートナーして、何千もの写真とデータで史蹟の細密な三次元モデルを作る。現場のスキャンには、複数のカメラのセットアップとドローンを用い、写真測量製図法とライダーの技術を利用する。CyArkは前からそういうスキャンをやっていたが、これまでは一般公開されなかった。しかし今度はGoogleの協力により、それらへのアクセスを公開するとともに、さらに新たな史蹟のスキャンも行うことになった。

CyArkの本来のミッションは、史蹟の保護だ。同社によると、これらの歴史的構造物は天災と人災の両方にさらされているので、同社のデータを利用する今度の企画では、それらの正確な視覚的再現が、次世代にとっても有益だ、という。

GoogleのArt and Cultureチームはこれまでにも、世界中の優れた美術作品の高解像度な保存作業を大量にやってきた。過去数年で大きな3Dモデルを捕捉するためのさまざまな方法が発達してきたので。Googleが次の段階として物理的な構造物の保存に目を向けるのも理にかなっている。こういう3Dのデジタル化技術は、初期段階の消費者向けVRから始まっているので、それらを見るための高品質なプラットホームはすでにある。それらは今後、もっともっと良くなるだろう。360度写真と違うのは、見る人が実際に遺跡のまわりを歩いたり、中を覗いたり、何かのうしろにあるものを同じく3Dで見たりできることだ。

これは相当エキサイティングだし、文化を原寸大で保存してその中を歩けることは、歴史を肌で感じる感覚を人に与え、またそれは、現代のテクノロジーの最高の到達点でもある。Googleが非営利でも活動していることは大いに素晴らしいが、今後は参加し助力するリソースがもっともっと増えて、これらの努力の対象と結果を世界中各地で広げ、世界のみんなが体験できるようになると良いね。

今は、18か国25の史蹟をこのプロジェクトで見ることができる。これらのモデルと環境は、デスクトップモードやPC、モバイルのVRヘッドセットなどで見ることができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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