GoogleのインキュベーターからWAYZのNY地下鉄版登場――Pigeonはクラウドーシングで遅延を教えてくれる

Googleのインキュベーター、Area 120からニューヨーク市の地下鉄通勤者を助ける新しいアプリが登場した。最近NYの地下鉄はとみに遅延の回数が増えているが、アプリは利用者にクラウドーシングで最新の運行状況を教えてくれる。

PigeonアプリはAppleのApp storeに登録されているものの、現在は「招待オンリー」なので、私自身はまだ試していない。

しかPigeonのウェブサイトの説明によれば、利用者は日頃通勤、通学に使うルートを設定しておくと、運行に遅延が生じた場合、適切な代替ルートを教えてくれる。運行情報は他の地下鉄利用者からリアルタイムで収集されるので正確だ。クラウドーシングでナビゲーションができる点、地下鉄版のGoogle WAYZといっていいだろう。

Pigeonの開発チームはウェブサイトに「長年ニューヨーク市に住んで地下鉄を利用してきたので運行があてにならず苛立たしい思いをすることが多いのを実際に知っている。そこでわれわれはこのプロジェクトを立ち上げた。地下鉄利用者が互いに情報を交換して助け合い、ニューヨークにおける通勤をかくも不快なものにしている混雑、遅れ、ストレスを最小限に留めるためのアプリだ」と書いている。

Pigeon

私自身もニューヨーカーだが、地下鉄での移動ではもっぱらGoogleマップを頼りにしている。このアプリにはMTAの発表をベースにした遅延情報やそこそこ正確な到着予定時間が表示される。しかしもっと正確でもっとリアルタイム性の高いデータが得られるなら大歓迎だ。それに私は通常の通勤ルートで地下鉄に乗る場合、いちいちGoogleマップをチェックしない。つまり思わぬ遅延に出くわして重要なミーティングに出られなかったり、ひどく遅れたりする可能性があるわけだ。

Accel Partnersが支援するTransitやSequoia、 Intel Capitalが支援するMoovitのようなスタートアップも公共交通機関の利用にすぐれたナビゲーションを提供しようと努力している。

このアプリについて問い合わせるとGoogleの広報担当者から以下にような声明が送られてきた。

インキュベーターのArea 120ではさまざまなプロジェクトが動いているがPigeonもその一つだ。このiOSアプリはニューヨーク市の地下鉄利用者に他の利用者からリアルタイムで運行状況を知らせ、最適な代替ルートを選べるようにする。Area 120の他のプロジェクトと同様、きわめて初期段階の実験であるため今のところ発表可能な詳細は少ない

画像:Joe Josephs / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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