Googleの協同ファウンダがまたまた未来の夢に出資–試験管で育てたバーガー

【抄訳】

Googleの協同ファウンダSergey Brinが、近未来に到来するかもしれない食糧生産の大革命に資金を提供した。それは、試験管の中で肉として成長したハンバーガーだ。オランダの研究者たちが、月曜日に行われた公開試食会で、幹細胞から成長させた重さ5オンスのビーフパテを披露した。この宇宙時代にふさわしいバーガーは、家畜による大規模な環境破壊なくし、世界の飢餓地帯に生命維持に欠かせない栄養成分を供給する可能性を秘めている。

この、製造原価32万5000ドルのパテは、牛の幹細胞から作られ、週末に培養されたが、主席研究者のMark Post教授(マーストリヒト大学)の予測では、“10年か20年後にはこのような人工肉が一般のバーガーショップで使われるようになる”そうだ。

2011年のオックスフォード大学の研究では、人工肉は現在の家畜方式の肉の生産に比べて、その1%の土地と4%の水、それに半分以下のエネルギーしか必要としない。しかし原料として牛の肩肉を使うので、一定量の家畜の安定供給は必要である。イギリスの菜食主義者協会は、このBrinのプロジェクトの将来性について、関心はあるが喜んではいない、という公式声明を発表した。

喜んでいるのは環境保護活動家と動物愛護家と人権活動家たちだ。しかしこの、革命的であるかもしれない製品に対するメディアの最大の関心は味だった。USA Today見出しは、“最初のリアクション: 実験室製バーガーは味がない”。The Telegraphは、“22万ポンドの実験室で育ったバーガーを始めて食べた…ケチャップが必要だった”。

たしかに、二人の試食テスターも、もっとおいしくならないかしら、と感じた。ボランティアのテスターHanni Rutzlerは、“もっとソフトな肉質を期待していた”、と言った。Post教授も、人工脂肪はまだ作れていないことを認めた。

【中略】

インターネットの開拓者の中で人工肉に関心を持ったのは、Brinが初めてではない。Twitterの協同ファウンダBiz Stoneが出資したのは、商品として売られる大豆製の人工チキン、Beyond Meatだ。昨年のサンフランシスコの本誌主催Disrupt ConferenceでBeyond Meatを試食したが、古代食ダイエットをまじめにやっているぼくには、かなりおいしく感じられた。

インターネットのファウンダたちがなぜ人工肉に関心を持つのか、その理由は分からないが、もっとひどいホビーはたくさんあるからね。マシな方だよ。

今日の試食会にビデオで登場したBrinは、“世界初の、培養法によるビーフハンバーガーを作ろうとしている。将来に関してはとても楽観的で、生産量は今後飛躍的に増えていくだろう”、と言った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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