Googleの艀(はしけ)はリースの書類を見るとGlassの展示場らしい

サンフランシスコとポートランドにあるGoogleの謎の艀(はしけ)をめぐって、先週から騒動がエスカレートしている。本誌情報筋によると、艀がGoogle Glassを売っていくための展示施設だ、という各種の報道は正しい。

今日(米国時間11/1)になってLos Angeles TimesのChris O’Brienが書いた記事が、この艀を追っている記者たちの多くが、正しいリース文書を見ていない、と主張している。O’Brienによると、この艀の正しいリース文書では、目的が“特殊なイベント用構造物の製作と美術的展示のみで、ほかの目的はない”、とされている。

本誌が接した情報筋は、艀の最終的な目的を正確には知らないが、サンフランシスコのTreasure Islandの後ろに係留されているユニットのいちばんありえる行く末は、Google Glassを今後の小売目的のために展示することだ、と見ている。

昨日のCBS KPIXの報道は、本誌も今朝早く紹介したが、それは、パーティー用のデッキとその下に小売店舗があり、Google GlassやそのほかのGoogle製品用の豪華なショウルームだ、と述べていた。本誌情報筋はこの報道を、‘かなり正確だ’と評した。

その艀はその上に船舶用コンテナが積まれている構造だ。大きな張り出し窓が随所にあるが、それらはカバーがかかっている。船舶用コンテナはGoogleのお気に入りの構造物で、拡張が容易なのでデータセンターとしてここ何年も使っている。今回また使うのは、その展示スペースが恒久的な施設ではない、ということを示すのだろう。むしろ、分解してあちこちに移動するのが目的ではないか。海上だけでなく。

Google Glassについては、かねてから、小売店舗のないことが大衆的普及を妨げる、と言われていた。ぼくがGlassを使ってみた経験からも言えるが、多くの人はこれを見ても、一体何をするものか、どうやって使うのか、何の役に立つのか、見当もつかないだろう。ぼく自身がいろんな人に見せたお粗末なデモでは、だいたい、眼鏡型のビデオカメラ、という認識で終わってしまう。だからGoogle Glassの真価を分かってもらうためには、もっと本格的なデモや展示が必要なのだ。Googleは今、それをやろうとしている。

これらの艀を作っているのは‘Buy and Large Llc’という名のペーパーカンパニーで、明らかにWall-Eからの借用だ〔ウォーリーを作った会社〕。先週CNETが特ダネとして大々的に報じたときは、海に浮かぶデータセンター、とされていた。でもO’Brienが言うように、CNETが見たのは別のリース文書だ。その文書の日付は8月1日だが、Googleの艀の建造が始まったのは昨年だ。

The Vergeの今週の記事によると、Treasure Islandの艀は完成後に Fort Masonへ曳航されて展示に使われるらしい。上の画像を載せたPortland Press Herald紙は今週、Rickers Wharfで密かに接近撮影を行ったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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