Googleの親会社Alphabetが気球を使い、プエルトリコの携帯電話ネットワークの復旧をしようとしている

FCCは、Googleの親会社Alphabetに対して、プエルトリコならびにバージン諸島における無線サービス復旧の支援をする許諾を行った。同社は高い高度に浮かぶプロジェクトルーン(Project Loon)の気球を使用して、LTE接続を可能にしようとしている。

速報:FCC は、プロジェクトルーンの気球をプエルトリコに緊急の携帯電話サービスを提供するために、Googleに実験的ライセンスを発行します。

先月島を襲ったハリケーンマリアは、食料や飲料水のような基本的な供給へのアクセスを破壊した。今週出されたレポートによれば、まだ83%の人びとが携帯電話を使うことができていない。

「ハリケーンマリアに襲われてから2週間以上過ぎても、何百万人というプエルトリコの人びとは、必要なコミュニケーションサービスを失ったままなのです」と語るのはFCC議長のAjit Paiだ。「だからこそ私たちは、島内の接続を復旧するために、革新的なアプローチを取るする必要があるのです」。

ルーンはAlphabetのイノベーショングループの1つであるXによって開発されたものだ。  それは今年の初めには激しい洪水に襲われたペルーを支援ために用いられており、そのときの成功を再現することが期待されている。とはいえプエルトリコでその計画を進めるためには、ルーンはパートナーを組むキャリアをまず探す必要がある。ルーンは既にペルーのTelefonicaと協力していて、このことによりプロセスが加速されることだろう。

同社の広報担当であるLibby Leahyは以下のようなステートメントを述べた。「私たちは、FCC およびプエルトリコの当局のサポートに感謝します。私たちは、ルーンの気球がこの火急の時期に、島に通信をもたらすことができるように懸命に働いています。人びとのデバイスに信号を提供するために、ルーンを通信パートナーのネットワークと統合する必要があります。気球単独でそれを行なうことはできません。私たちは、この次のステップでも着実に進歩しています。手を貸していただいている、全ての皆さまに感謝いたします」。

ルーンプロジェクトは、気象観測気球のように18キロ以上の高さに上る、高高度気球のネットワークで構成されている。ルーンの気球は「風に乗って」目的地に着き、成層圏で100日以上耐えられるように、超高圧がかけられています。

信号は直接LTEを利用するデバイスに届けられ、地元のキャリアへと回線が繋げられる。また望ましい方向に吹く風によって気球の高度は調整される。

Teslaもまた、プエルトリコを支援する作業を行っている。

既に何百ものTesla Powerwallバッテリーシステムが既にプエルトリコに持ち込まれ、Teslaの従業員たちが、各地域で設置と保守のための訓練を行っている。

TeslaとGoogleによる島のインフラを再構築する作業には、Facebookも加わり、復旧と復興のために、島に連携スタッフが送られることが約束されている。

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: U.S. DEPARTMENT OF AGRICULTURE/FLICKR UNDER A PUBLIC DOMAIN LICENSE

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TechCrunch Japan

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