GoogleのLookはファッションの検索と購入サービス―SNSのコンテンツ囲い込みに巻き返し

2016-09-07-shopthelook

Google検索に弱点があるとするなら、現在のインターネットで新しく生成される情報の半分以上がInstagramやSnapchatのようなモバイル・アプリに投稿されていることだろう。つまりGoogleの検索エンジンが簡単にインデックスすることができない。

仮にGooglが写真などコンテンツの一部を取り出せたとしても、その写真のソーシャルネットワーク上のコンテキストには手がとどかない。写真のコンテキストが分からなければ検索結果として表示できず、広告収入に結びつけることができない。これはGoogleのビジネスにとって大きなな問題だ。

しかしGoogleは、すくなくともファッション関係の分野においては、回避策を発見しつあるようだ。Googleは先ほどShop the Lookという機能を発表した。これはファッション・ブログに掲載されたコンテンツを検索結果に表示し、しかも購入を可能にする。

Googleが表示するコンテンツ(ファッション・アイテムを購入するためのリンクも含めて)はrewardStyleのLIKEtoKNOW.itを利用している。この会社はファッション・ブロガーのソーシャル投稿を収益に結びつけることを目的としている。このサービスは影響力のあるブロガーがソーシャルメディアに投稿した記事をベースに、記事とプロダクト購入のためのリンクをフォロワーに知らせることを助ける。たとえば、あるインフルエンサーがInstagram内のファッション・アイテムの写真に「いいね!」を付与したとする。するとrewardStyleはそのアイテムの写真と購入リンクをフォロワーにメールしてくれる。

Googleはこのメール内容とアイテムの詳細情報を次のように結びつけている。

ユーザーが、たとえば"cocktail dress"〔カクテル・ドレス〕というキーワードでGoogle検索をしたとする。するとGoogleはそのブロガーがフォロワーに送ったコンテンツからキーワードにマッチする写真を選び出して表示する。続いてユーザーが写真の一つをタップするとGoogleはその写真にマッチするアイテムの検索結果と購入可能なリンクを提供する。

興味深いことに、GoogleはこのShop the Lookサービスととショッピング用広告キャンペーン用を連動させている。つまりアイテムのリテラーはファッション・アイテムについて、Shop the Lookの検索結果に表示される可能性のある広告を作成することができる。

これはGoogleにとって一見したよりずっと大きな動きだ(つまりInstagramなどのメディアから検索トラフィックの大きな部分を奪える可能性がある)。同時にユーザーのファッションの選択に影響を与える有力ブロガーにとっても重要な意味がある。インフルエンサーはLIKEtoKNOW.itのようなサービスをビジネスに結びつけることができるかもしれない。コンテンツ(とアフィリエイト・リンク)がGoogleの検索結果に含まれるなら、従来よりはるかに多くの人々の目に触れるチャンスがあるだろう。

GoogleとrewardStyleの提携はまだ始まったばかりで、両者は収入の分配などの細部についてまだ交渉中だ。しかしブロガーのアフィリエイト・リンクを通じてアイテムが購入された場合はブロガーとGoogleの間で収益が分配されると考えて間違いないだろう。rewardStyleとコンテンツを制作したインフルエンサーが第一に収益の配分を受けるはずだ。

〔日本版〕 LIKEtoKNOW.itは日本語のサインアップ・ページと利用法の説明を用意している。ただしキャプションの日本語は機械翻訳的でユーザー側にかなりの推理力が必要かもしれない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。