GoogleのPixelにジェスチャー、絵文字、AR効果など大量の新機能追加

Pixelスマートフォンを持つ利点のひとつに、時とともに改良されていくところがある。Pixelは、最新の修正や改良を含むアップデートを最初に受ける機種だからだ。2019年12月に提供された第1弾には、ロボコール(迷惑電話)対策フィルター、写真の操作性向上、Duoでの通話の改良など数多くの新機能が含まれていた。米国時間3月2日、GoogleはPixelの新機能セット第2弾を提供すると発表。今回の内容は、新しい音楽の操作性、新しい絵文字、写真と動画のさらなる追加機能、緊急通報機能の拡大、Google Payの改良、その他となっている。

2019年にGoogleは、Pixel 4の発表にともない「モーションセンス」という新しいジェスチャー機能を発表した。手を触れずにスマートフォンを操作できるというものだ。つまり、手の動きを感知して、それをソフトウェアのコマンドに変換する。

すでにPixel 4ユーザーは、モーションセンスで次の曲に飛んだり前の曲を再生したりが可能だったが、今回の更新により、画面の上でタップのジェスチャーをすることで曲のポーズや再開ができるようになる。

Googleは、会話中にすぐに曲を止めたいときに便利だと提案している。だが実際は、動作に一貫性があるときにだけ便利に使える状態で、各社のレビュー記事では、モーションセンスのシステムは「気難しい」とか「発展途上」などと書かれている。もちろん、すぐに改良されるだろうが。

このアップデートで改良されたものの中には、2019年10月にPixel 4に追加されたPersonal Safety(パーソナル・セイフティー)アプリもある。クルマで重大な衝突事故が発生した際に、ユーザーが助けを必要としているかどうかを本体のセンサーが確認してくれる。アメリカのユーザーなら、タップまたは音声で911(緊急電話)が呼び出せる。ユーザーの反応がない場合は、現在位置と詳細を緊急電話のオペレーターに自動的に通報する。今後、この機能はオーストラリア(000)と英国(999)でも使えるようになる。

さらに、Googleのビデオ通話アプリDuoにAR効果も追加された。画面に映る自分の印象を変えたり、動かしたりができる。Duoにはすでにいくつもの効果はあるのだが、ソーシャルコミュニケーションアプリにとって、常に効果のリストを充実させておくことは必要不可欠なのだ。

一方、Pixel 4の自撮り用カメラでも奥行きのある画像が作れるようになり、ボートレートのぼかしとカラーポップが改良される。また、Facebook用の3D写真も作れるようになる。

Pixelではさらに、絵文字がバージョン12.1に更新される。これには2019年10月にiOS 13.2でiPhoneが対応し、2020年1月にはTwitterも対応している。このセットには169種類の絵文字が追加され、ジェンダーや肌の色の幅が広がり、カップルの組み合わせも増えて、よりインクルーシブな内容になった。

Google Payも改良され、電源ボタンを押したまま画面をスワイプすると、デビットカードやクレジットカード、さらにはチケットや搭乗券、その他の保存済みアイテムが選択できるようになる。この機能が最初に使えるようになるのは米国、英国、カナダ、オーストラリア、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、アイルランド、台湾、シンガポールだ。

また、搭乗券のバーコードのスクリーンショットを撮影して、通知にタップしてGoogle Payに追加すれば、フライトの更新情報を通知としてリアルタイムで受け取れるようになる。この機能は、すべての国でPixel 3、3a、4のGoogle Playで3月中に使えるようになる。

パワーユーザー向けには、Wi-Fiや物理的な位置に応じてルールの設定を変更できる機能も追加された。たとえば、職場に到着したら自動的に電話の呼び出し音をオフにするとか、家に帰ったら自動的にサイレントモードにするなど、いろいろできるようになる。

その他の新機能として、Pixel 2用の「自動字幕起こし」、Pixelのダークテーマの切り替えスケジュールの設定、緊急連絡や医療情報のアクセスの簡便化、長押しでアプリのヘルプをすばやく表示できる機能の改良、直射日光の下でも画面の文字を読みやすくする明るさの自動調節(Adaptive Brightness)の更新がある。

Googleは、これらの新機能の提供を米国時間3月2日から開始すると話している。今すぐすべてが手に入るわけではないが、早々に出揃うはずだ。

画像クレジット:JOHANNES EISELE/AFP / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)