Googleは同社エッジロケーションをCloud Platformのユーザと共有、FastlyなどとパートナーしてCDNサービスも提供へ

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Googleが先月PageSpeedサービスを閉鎖したことにより、そのツールの一部であったCDN(content delivery network)サービスもなくなった。今のGoogleはほかのコンペティタ(Amazon AWS、Microsoft Azure)のように独自のCDNサービスを提供していないが、静的コンテンツをユーザにはやく配達したいと願うデベロッパに対しては、FastlyなどとパートナーしてCDNサービスを提供している。

今日(米国時間9/9)同社はそういうパートナーシップを一歩前へ進めて、CDN Interconnectというサービスをローンチした。今や同社はCloudFlareFastlyHighwindsLevel 3 Communicationsなどとパートナーして、同社のクラウドサービスを利用してアプリケーションを動かしているデベロッパに、使いやすくて安いCDNを提供しようとしている。

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このInterconnectイニシアチブはGoogleのCloud Interconnect Serviceの一環であり、それは企業がエンタプライズクラスの接続でGoogleを利用したり、あるいはGoogleの世界中70箇所を超えるエッジロケーションでGoogleと直接にピアする、というものだ。

CDN Interconnectを利用するデベロッパは、主に写真、音楽、ビデオといった静的コンテンツをサーブするために利用するのだが、これからは、これらのCDNロケーションへのトラフィックの送付を、安い料金で行えるようになる。

Googleによるとそのねらいは、“Cloud Platformからエンドユーザに近いエッジへコンテンツを定常的に配布するためのベストプラクティスを、おすすめすることであり、GoogleはCloud PlatformとパートナーであるCDNプロバイダとのあいだの、プライベートで高性能なリンクを提供することによって、ユーザのコンテンツがレイテンシの低い信頼できるルートをたどって弊社のデータセンターからエンドユーザに届くようにする”、ことだ。

Googleによると、静的コンテンツとは言っても現代のそれは、高精細の画像だったり、HDないし4Kのビデオであったりして、ネットワークの負荷が大きい。そのために、一つのWebページの平均伝送量が2MB近くにも達する。それは2014年に比べて15%の増であり、今年はさらに増加するだろう。大半が画像や映像であるコンテンツを世界中に高速でロードするためには、CDNが唯一のソリューションだと言わざるを得ない。

ではなぜGoogleがPageSpeedサービスを閉鎖したのか、まだよく分からないが、要するにCDNはGoogle自身がやるべきビジネスではない、と判断したのだろう。しかしGoogleと同じく大企業の品揃えの一環としてクラウドプラットホームを提供しているところでも、AmazonのAWSやMicrosoft Azureには、そのプラットホームを利用するデベロッパのための独自のCDNサービスがある(AWSはCloudFront)。今回Googleは、CDNというゲームに復帰したと見えなくもないが、まだそれはユーザにパートナーを紹介するにとどまっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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