GoogleはGoogle Assistantのアプリケーション開発振興のためスタートアップを育てる投資育成事業を開始

Google Assistantのエコシステムをどうしても育てたいGoogleは、ついにそのために自腹を切ることになった。今日(米国時間5/2)の同社の発表によると、Assistantのアプリケーションを作る初期段階のスタートアップに、資金やそのほかのリソースを提供していく新しい事業をこれから立ち上げるようだ。

新製品に関してそのエコシステムを育てたい企業が、こんな事業を発表することはよくある。しかしGoogle Assistantの場合はすでにかなりの数のサービスが開発されているにもかかわらず、同社は“このクリエティビティをもっと鼓舞するために”、新しい事業を立ち上げるのだ、という。

Googleの、検索とGoogle Assistant担当VP Nick Foxも、こう言う: “Google Assistantでは、デベロッパーやデバイスのメーカーやコンテンツでのパートナーたちが新しいユーザー体験を作っていけるための、オープンなエコシステムの育成に力点を置きたい。Google Assistantに関してはすでにデベロッパーたちの多くのクリエティビティが見受けられるが、それをさらに促進するために、初期段階のスタートアップのための新たな投資事業を始める”。

投資だけでなくGoogleは、彼らスタートアップにメンターシップ(個人指導)や、技術者、プロダクトマネージャー、デザイナーなどからのアドバイスを提供する。そしてこの事業の対象になったスタートアップは新しい機能やツールにいち早くアクセスでき、またGoogle Cloud Platformとプロモーションの支援にもアクセスできる。これはまさに、アクセラレーターないしインキュベーターと呼びたいような事業だが、Googleはそう呼んでいない。

Foxによると、投資額に上限はない。“ふさわしいと思われる額を投資して、デジタルアシスタントのアプリケーション(ハードウェアもありうる)開発という、この新しい分野でスタートアップが成功できるように努めていく。しかも資金を提供するだけでなく、これらのスタートアップと積極的にパートナーして、彼らのプロダクトが市場で成功するよう、わが社の強みも生かしていく”。

この事業の対象となる最初のスタートアップGoMomentは、ホテルのためのコンシエルジュサービス、そしてEdwinは英語の個人教授、BotSocietyPulse Labsはデベロッパーツールだ。

これらのスタートアップは、Googleのねらいをよく表しているようだ。Foxによると、Googleが求めているスタートアップは、“旅行やゲームなど、Assistantをおもしろく活用できそうな特定業種をエンドユーザーとする”デベロッパーたちだ。Googleは一部のパートナーシップについてはその関わりをより深めると同時に、一方多くの場合は単純に、Assistantのような技術に関心のあるスタートアップを求めているのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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