Google I/O:ビジネス向けクラウド・ストレージ、Drive For Workは月額10ドルで容量無制限

今朝(米国時間6/25)開会したI/Oデベロッパー・カンファンレンスで、Googleはドライブをメジャー・アップデートしたのに加えて、Drive for Workを発表した。これはビジネス向けのクラウドストレージと生産性ツールのスイートで、セキュリティも大幅に強化されている。また特筆すべき特長は、保存容量が無制限であることだ。

しかしGoogleの動向を注意深く追っていたものにとってはショックではない。Googleは今年に入ってドライブの料金を大幅に引き下げた。この際、ドライブのプロダクト・マネジメントの責任者、Scott Johnstonは私の取材に答えて「企業のIT部門は今後ストレージ容量の心配をする必要がなくなる」と語った。

ユーザー1人当たり月額10ドルというDrive for Workの登場で、IT部門はストレージ容量だけでなく料金の心配もする必要がなくなったといえるだろう。またアップロード可能なファイルサイズの最大限を5TBに引き上げたことでもGoogleが「容量無制限」に真剣に取り組んでいることが分かる。正気の人間なら5TBのファイルをGoogleドライブにアップロードしようとは(当面)考えないだろうが、やろうと思えば出来るというのは心強い。

ユーザー1人月額5ドルの既存のGoogle Apps for Businessアカウントも存続される。

容量無制限というのがやはりいちばん人目を引くが、Drive for Workにはそれ以外にもビジネス・ユースに不可欠な多くの機能が用意されている。たとえばGoogle Apps Vaultは法の定めや会計業務のため、改ざんがないことを証明できるかたちでメールその他のデータを保管する機能だ。

またDrive for Workの管理者にはどのユーザーがいつ、どのファイルにアクセスしたかを確認できる監査機能が提供される。またGoogle はAudit APIを公開したので、企業は独自の監査ダッシュボードを作成できる。

Googleによれば、Drive for Workは大企業に対し、SSAE 16/ISAE 3402 Type II、SOC 2-audit、ISO 27001、Safe Harbor Privacy Principlesなどのコンプライアンスと監査のレベルを提供できるという。まだ医療分野のHIPAAのような業種別のセキュリティー要求もサポートする。

アクセス・コントロールは企業ごとの必要に応じてきめ細かく設定できる。たとえば一部のユーザーをファイル同期の対象から除外するようなことも可能だ。

Johnstonは「Drive for Workは、大企業向けのVaultのような機能を含め、スモールビジネスから中小企業まであらゆる企業のニーズに応えられるサービスとなっている。企業が成長した場合に必要になるような機能もそろっているので安心だ」と強調した。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


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TechCrunch Japan

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