Grab、Uber撃退に向けてミャンマー市場への1億ドルの投資計画を発表

Grabは隣国ミャンマーの配車市場制覇に向け、これから3年間かけて総額1億ドルを投資すると発表した。

ミャンマーは現在世界のネット市場でもっとも注目されている国かもしれない。以前まで軍事政権下にあった同国ではネットへのアクセスが厳しく制限されていたが、2015年の総選挙を受けてインターネットが一般に開放されることになった。

そこに商機を見出した通信会社やテック企業が、かつては人里離れた小国でしかなかったミャンマーになだれ込み、携帯電話が一般市民の間で急速に普及していった。軍の支配下に会った頃には200ドルから最大1500ドル以上もしたSIMカードも、競争激化を受けて5ドル以下にまで値段が下がり、5500万人の人口を誇る同国に一気にモバイル化の波が訪れた。

今日のミャンマーは、登録されているSIMカードの数が人口を上回るという、たった5年前にも想像がつかなかったような状況にある。さらに以前のネット規制のせいで固定回線が普及しなかったこともあり、ミャンマーはオフライン社会から一気にモバイル社会へと変化した世界でも珍しい国なのだ。

まず注目が集まったのはECサービスで、スマートフォンの普及率が高まるにつれて最近では現地版Uberのようなサービスも誕生し始めた。そして今年、GrabとUberはどちらにとっても東南アジアで7つめとなる市場にミャンマーを選び、現地の配車サービス市場は一層の盛り上がりを見せた。

3月にサービスをローンチしたGrabが現在同市場を牽引しており、1日の予約数は2万5000件、ドライバー数は6000人にのぼる。そして同社はミャンマー配車サービス市場トップの座を確固たるものにするべく、この度アグレッシブな計画を発表した。

東南アジア最大の経済規模を誇るインドネシアに進出したときのように、Grabは単なるモビリティサービスを超えた事業をミャンマーで展開すべく、1億ドルの投資計画を明らかにしたのだ。最近調達した20億ドルもの資金がその後ろ盾となっているのは間違いないだろう。

まず彼らは、首都ヤンゴンをスタート地点に配車サービスを国中に展開し、現地の社員数を200人まで増やす予定だ。しかしインドネシア同様、Grabはミャンマーでも電子決済サービスGrabPayを普及させようとしている。同サービスの使い道の中心となるのは、もちろんGrabの利用料の支払いだが、それ以外にもユーザーのロイヤルティを高めるための試みとして、同社は有名小売企業の協力の下、リワードプログラムを提供している。

インドネシアでは配車サービス以外の目的でもGrabPayが使えるよう努力を重ねている同社は、5%を下回るクレジットカード保有率とモバイル社会への急速な移行で、電子決済サービスの潜在需要が見込まれるミャンマーでも、そのうち同じような動きにでるかもしれない。

「私たちはミャンマーの交通上の課題に、イノベーティブかつ現地の実情に沿った方法で挑戦している。これにより社会経済上のチャンスが生まれ、Grabと現地の人びとの間でウィン・ウィンな関係が築かれている。ミャンマーはGrabの進出先の中でも、もっとも成長速度の早い市場のひとつであり、今後さらに同国との関係を深めていけるのを楽しみにしている」とGrab CEOのAnthony Tanは声明の中で語った。

モバイル通信事業者を除くと、消費者向けのサービスを提供するテック企業の中で、ミャンマーにこれほどまでの投資を行うと決めたのはGrabが初めてに近い。今後さらにミャンマーが盛り上がっていくにつれて、きっと新たなニュースが耳に入ってくることだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

投稿者:

TechCrunch Japan

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