Herokuが大型高速アプリケーション向けの新しいdynoタイプを提供開始

Salesforceが2010年に買収したクラウドプラットホーム*Herokuが今日(米国時間2/3)、RAM容量が通常の12倍、CPUパワーが40倍という、新種のdyno(ダイノ)をローンチしたdynoはHeroku独特の用語で、アプリケーションがその中で動くコンテナのことだ。いちばんベーシックなやつで、料金が1時間5セントだ。〔*: 最初はRubyデベロッパのためのクラウド上のフレームワーク、今は言語も多様化。〕

正確にはこのたび、Heroku XLファミリーと呼ばれる特別の、ほかのHerokuインフラストラクチャから隔離されたマシン群上のサービスをローンチし、その上のダイノタイプが上記なのだ。このハイパフォーマンスdynoは通常のdynoのようにマルチテナントでなく、したがってCPUをほかのアプリケーションと共用しない。アプリケーションは高速化し、レスポンスタイムが良くなり、高品質なサービスを顧客に提供できる、という。

最近のHeroku上には、毎秒のリクエスト数が10000を超えるような大型アプリがある。たとえば新語辞典Urban Dictionaryやおもしろい見出しのニュースを集めているUpworthyは、Herokuがホストしている。全体でHerokuは、毎日50億リクエストにサーブし、毎秒では約60000、ピーク時には90000に達する。今度のハイパフォーマンスdynoは、言うまでもなく、このような大型アプリが使うのに適している。

Heroku XLパッケージの提供と並行して今回のアップデートでは、アプリケーションのリソース使用量などがリアルタイムで分かるランタイムメトリクス(計測値)の提供が始まる。

Herokuの物理的なインフラはAmazonのAWSであり、今回のハイパフォーマンスdynoはEC2のc1.xlargeインスタンスを使用する。Amazonからの課金が1時間58セントに対し、Herokuの料金は80セントだ。新しいタイプのdynoは、従来のdynoとは別のインフラを使用するが、dynoのサイズ変更などはこれまでと同じやり方でできる。

Amazon自身が新しい大型のインスタンスを継続的に展開しているから、Herokuも今後はdynoのタイプの多様化がさらに進み、ユーザの選択肢の幅を広げるかもしれない。今現在は、dynoのタイプは今回の新しいのを含めて3種類だ。

画像クレジット: BoostinChick (CCライセンス Flickrより)
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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