HTML5のCanvasで実装したMicrosoft Office互換ドキュメントツールTeamLabは優れもの

オンラインドキュメントエディタのGoogle DocsやZoho Docsなどはかなり前から、これでやっとあなたはMicrosoft Officeをご自分のデスクトップから根絶できる、と約束していた。しかし複雑なドキュメントの編集やMicrosoftのファイルフォーマットとの完全な互換性という点では、Webベースのエディタはまだまだ不十分と言わざるをえない。その有利な差別化要因は言うまでもなく、クラウドによるドキュメントの共有とコラボレーションだが、Microsoftも最近そのことに気づき、Office 365と、それに付随するWebベースのドキュメントビューワやエディタにそんな機能を盛り込んできた。

そういう局面に登場してきたのが、ロシア生まれで無料でクラウドベースのOfficeスイートTeamLab Personalだ。それは実装にHTML5のCanvas成分を使用し(参考情報)、同社の主張では、GoogleのオンラインコラボレーションとMicrosoft Wordの高品質な文書形式の良いとこ取りをした製品だ。下のビデオはやや宣伝臭が強いが、本当にこのとおりなら、あなたはオンラインのMicrosoft Office 365すら‘根絶’できるだろう。

TeamLabのPersonal版では、テキストとスプレッドシートとプレゼンテーションの編集ができる。機能的にはWordとExcelとPowerPointのそっくりさんで、それプラス、オンラインの共同編集とコメントの機能がある。HTML5のCanvasで実装するという果敢な試みによって、同社によれば他社の既存のオンラインワープロにない機能を提供できた、という。

それらはまず、表示されるドキュメントのスタイル、段落、記号、行間などなどが、OSやブラウザによって違わない、同じであること。インポートしたドキュメントに関しても同じ。印刷結果も同じだ。そして表の処理や行間、ノンブル、本文とヘッダのスタイルなどで選択肢が多いこと。複数ページのレポートでもドキュメントのスタンダードを維持できること。複数の言語をサポートし、ヒエログリフも使えること。などなどだ。

TeamLab PersonalにはFacebookやGoogleのアカウントからサインインし、クラウドストレージはGoogle Drive、Dropbox、SkyDrive、Boxなど自分にアカウントのあるものを使える。一つ選べば、そこがユーザのワークスペースになる。無料バージョンを提供できるのも、こういったサードパーティのストレージサービスとの連携(一種のアフィリエイト)があるためのようだ。

上のビデオでおもしろいのは、TeamLabのドキュメント処理能力はどの面においてもGoogleやMicrosoftより優れているのだが、しかし三つとも仕事は完璧ではない。だから、勝負はむしろこれからなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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