Impossible Foodsの開発者が共同創業した植物性ミルク製品企業のKite Hillも注目を集めそうだ

植物ベースのバーガー会社のImpossible Foods(インポッシブルフーズ)を創業したPatrick Brown(パトリック・ブラウン)氏は、創業以前の25年をスタンフォード大学の生化学の教授として過ごしていた。その彼はカリフォルニア州ヘイワードを拠点とする食品会社であるKite Hill(カイトヒル)も共同創業していた。同社は、通常のものよりもより健康的で持続可能な多くのナッツミルクとチーズ製品を開発してきた。

投資家たちは納得しているようだ。新たなSECへの申請によると、現在10年目の同社は、さらに1500万ドル(約16億円)の資金調達を行おうとしている(そして少なくとも1000万ドルの新規資本が確定している)。同社は昨年秋に、General Mills、CAVU Venture Partners、New Crop Capitalなどからの資金調達ラウンドを完了しており、Crunchbaseによれば今回の資金調達によって同社の調達総額は約8000万ドル(約86億円)になるはずだ。

この分野に対する彼らの熱意を、より広く理解するのは簡単だ。ニールセンのデータによると、ビーガンチーズ市場は過去数年間、2桁の成長を遂げている。最近の調査では、植物性チーズの売上は、従来の乳製品チーズの横ばいの売上と比較すると、2018年8月までに41%増加したことが判明した。アーモンド、大豆、エンバク、その他の植物由来のミルクの売上も急増している。ニールセンのデータによれば、2018年6月までの1年間の植物ベースのミルク飲料の売上は、その前年の3%増に対して、9%増だった。一方、従来の牛乳の売り上げは、同期間に6%減少している。

Kite Hillは、アーモンドミルクヨーグルト、ギリシャヨーグルト、クリームチーズ、リコッタ、パスタ、ディップ、キッズチューブ(子供向け栄養補助チューブ)を製造しており、Safeway、Whole Foods、Amazonなどの小売店で販売されている。ブラウン氏とともに、共同創業を行ったのは、ボストンのル・コルドン・ブルーの元インストラクターであるMonte Casino(モンテ・カジノ)氏と、ロサンゼルスのビーガンレストランCrossroads Kitchen.のシェフ兼創業者であるTal Ronnen(タル・ロンネン)氏である。

それは、商売を行うには混み合った市場である。例えば、非牛乳製品のミルクやヨーグルトなどを製造するCalifia Farms(カリフィアファームス)は、同じ年にカリフォルニア州ベーカーズフィールドで設立され、これまでにStripes Groupを含む投資家たちから1億1500万ドル(約123億円)を調達している。カリフォルニア州エメリービルにある6年目のRipple Foods(ルップルフーズ)は同様に、資金調達という点ではKite Hillをしのぎ、これまでにその非牛乳製品に対して1億2000万ドル(約128億円)を調達している。

Kite Hillは、顧客の好みが変化しても顧客との関係を保ちたい大企業とも競合している。中でもダノンは、非牛乳飲料やヨーグルト製品を含む植物ベースのビジネスの規模を2025年までに3倍にする計画を明らかにした。

実際、Kite Hillなどのほとんどのブランドの戦略は、ベンチャー部門を設立した巨大食品会社からの資金を受け入れることで、彼らを排除しようとさせるのではなく、むしろ彼ら若いブランドの成長を支援させようとすることだ。

現在、小さなライバルたちに資金を提供している巨人たちとしては、General Mills 301 INC)、Campbell Soup(Acre Venture Partners)、Tyson Foods(Tyson Ventures)、そしてKelloggs(1894 Capital)などの名が挙げられる。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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