Indiegogo創業者が投資家が自分好みの代替投資を見つけるプラットフォームVincentを立ち上げ

美術や蒐集品など、特定品目の代替投資のマーケットプレイスが次々と雨後の筍のように登場している中で、Indiegogoの創業者であるSlava Rubin(スラヴァ・ルビン)氏が、Vincentと呼ばれるKayakに似たプラットフォームを立ち上げた。そこは、目利きの投資家たちにあらゆる種類の財への投資機会を提供する場だ。

ルビン氏と共同創業者のEvan Cohen(エヴァン・コーエン)氏、Eric Cantor(エリック・カンター)氏、そしてRoss Cohen(ロス・コーエン)氏は、このベンチャーに200万ドル(約2億1000万円)を調達した。投資家はUncommon Denominator、ERA Ventures、The Fundそしてルビン氏自身のHumbitionだ。Vincentは2020年7月にベータでローンチしたが、いまでは一般公開の体制ができている。ルビン氏によると、彼のチームは「代替投資の最も網羅的なデータベース」を編纂したという。

ルビン氏はIndiegogoの頃から代替投資の旗振り役で、代替資産への投資を社会的により確実にするための、既存の法律の策定にも助言をしてきた。

代替投資が2020年に急にバズってきたのは、州レベルのガイドや規制が進化してきたことと、ブームによって一般大衆の投資プラットフォームに対する関心が大きくなったためだ。そしてプラットフォーム側は、金融機関にアクセスするための敷居の低いツールを提供している。特定の品目や業種は、Robinhoodのようなブランドを作って、彼らのそれぞれのニッチを追おうとするかもしれないが、しかしVincentが狙うのは特定品目等ではなく、多様化に目を向けている新しい潮流とユーザーだ。

「私たちのパートナーは、特定の財の取引をめぐる大量のキュレーションに傾注することが多く、それぞれがその分野のエキスパートになろうと努力している。しかし私たちが学んだのは、投資家が代替投資にもっと積極的に触れようとしていることであり、しかも関心の対象は特定の一種類の代替投資ではなく、ありとあらゆる種類の財だ」とルビン氏は語る。

ルビン氏によると同社は現在、約50のプラットフォームとパートナーしている。それらはWeFunderやSharesPost、Rally Rd.そしてOtisなどのプラットフォームだ。取引には不動産会社もあればベンチャー企業もあり、蒐集品や美術もある。いろいろすべて含めてVincentのユーザーは20億ドル(約2090億円)相当の投資にアクセスしている。Vincentを訪れたユーザーは、彼らがアクセスする取引のリストへ彼らをルートする認定を受けているか、尋ねられる。

Kayakと同じく、人びとは取引を得るためにVincentを利用するが、お気に入りの財を見つけたらそのパートナーのプラットフォームのサイトやアプリへリダイレクトされ、そこで実際の取引を遂行する。ユーザーがパートナーのプラットフォームへリダイレクトされるとき、Vincentは手数料を徴収する。

Vincentの主要な課題は、自分たちで実際の投資を実際に管理しなくてもユーザーの心に響くようなブランドを構築することだ。ルビン氏によると、パートナーの多くはキュレイティングが軸であり、得意とするニッチに関する専門的能力を築いている。それがもっと広範な訴求力を持つかは、大きな疑問だ。

「私たちのようなアグリゲーターの目標は100%、著しく分裂している市場で体験を本当に単純化することだ」とルビン氏はいう。

Vincentは、単なるアグリゲーターではなく、ブログやニュースレターなどのコンテンツで代替投資に関して投資家たちを教育し、彼らにとっての代替投資のワンストップショップであるようなプラットフォームになりたいという。これに関してルビン氏は、代替投資のプラットフォームを作るスタートアップの現在のゴールドラッシュのようなブームが、何でも合理化しようとするプレイヤーがそこに参加する絶好のタイミングでもあることを期待している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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