Instagramがようやく13歳未満の年齢確認を開始

Instagramはユーザーの年齢を見て見ぬ振りをするのをやめた。開始から9年、Instagramはついに、未成年の子供たちをソーシャルメディアの問題から守る責任を真剣に捉え始めた。 これからは新規ユーザーに生年月日を入力させ、13歳未満のユーザーは登録させない。ただし既存ユーザーには年齢を尋ねないので、Instagramは既存メンバー10億人の中にいる未成年の子供については目をつぶることになる。

今後Instagramは、年齢情報を利用して低年齢ユーザーに対して新たなプライバシー制御などの設定に関する教育を行う予定だ。さらに、自分がフォローしている相手だけがメッセージを送ったり、グループに追加したり、ストーリーに返信できるようにするオプションも追加する。

米国時間12月3日、TechCrunchはInstagramについての意見記事を書いた。これは、モバイル研究者のJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏が、Instagramの年齢確認機能のプロトタイプを発見した後、Instagramが何もコメントしなかったことを受けてのことだった。ウォン氏が見つけたコードによると、Instagramは生年月日を非公開のままにし、アカウントをリンクした場合にはFacebookプロフィールと同期する。

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Instagramは未成年のユーザーを保護することに関して大きく遅れをとっている。同サービスはユーザーの年齢を無視することで、13歳未満の子供から個人情報を収集することを禁止する「児童オンラインプライバシー保護法」(COPPA)違反の罰金4万ドルを回避してきた。「生年月日を尋ねることで未成年がInstagramに登録することを防ぎ、低年齢ユーザーの安全を確保し、年齢に適した体験を提供できるようになる」とInstagramは説明している。

すでにFacebook、Snapchat、TikTokの各サービスは登録手続の最初に生年月日を入力させている。TikTokは、COPPAに違反してFTC(連邦取引委員会)から570万ドルの罰金を課された後、アプリに子供たちがビデオ見ることはできるが投稿もコメントもできない別セクションを作った。

ここまで長い時間がかかったことについてInstagram広報はTechCrunchに、「我々は歴史的にユーザーの年齢を尋ねてこなかった。これはInstagramを誰もが年齢を問わず自らを表現できる場にしたかったからだ」と語った。ずいぶんと薄っぺらい言い訳に聞こえる。

年齢確認の実施はInstagramにとってまずはよいスタートだと言える。しかし彼らは、ユーザーの入力した年齢を検証し、年齢に達しない少年少女がアプリを通じて見知らぬ相手と接触するのを防ぐ方法をさらに考えるべきだ。業界標準への準拠は最低限の責任を果たすことにはなる。しかし、若いユーザーにこれほどアピールし、これほど繊細なデータを扱うアプリとしては、多数派に従うのではなく、率先して安全を守るべきだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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