Instagramストーリーで人気楽曲がBGMで利用可能に――世界の4億ユーザーに順次拡大へ

退屈なビデオや写真も適切なBGMがあると驚くほど魅力的になることがある。5月上旬にTechCrunchがスクープしたところだが、Instagramでは人気の楽曲をストーリーのサウンドトラックに使えるよう準備を進めていた。 今日(米国時間6/28)、InstagramはiOSとAndroidアプリでこの機能を正式に導入すると発表した。当面アメリカを含む6カ国でスタートする。

Facebookが大手レコード・レーベルと交渉を進めた結果、ユーザーはBruno Mars、Dua Lipa、Calvin Harris、Guns N’ Rosesなどを含む多数のアーティストの数千の楽曲が利用できる。 この機能のリリースでInstagramストーリーは魅力を増しただけでなく、著作権交渉で出遅れたSnapchatに差をつけ、若い層に人気の音楽志向のビデオ共有サービス、Musical.lyと対抗できるようになった。

Instagramは月間アクティブユーザー数が10億人となったことを発表して1週間後の今日、Instagram Storiesの1日当たりアクティブユーザーが昨年11月の3億人、1年前の2.5億人からさらに増加し、4億人を超えたと発表した。つまりInstagramストーリーはライバルのSnapchatの全アプリと比較して6倍のスピードで成長していることを意味する。Snapchatは2017年第4四半期から2018年第1四半期までの半年で1日あたりアクティブユーザーが1300万人増加し、1億9100万人に届いたのに留まった。.

前第4四半期にSnapchatは評判の悪いデザイン変更のせいもあり、成長率は過去最低を記録している。一方Instagramストーリーは着実にユニーク・ユーザーを伸ばした。Highlights、Superzoomは人気を得ているし、公開投稿を再共有する新機能も評判がよい。Instagramでは昨年9月にトータルで5億人の1日当たりアクティブ・ユーザーがあったとしている。それからすると、もともとSnapchatが発明したフォーマットであるものの、今やInstagramユーザーのほとんどがストーリーを使っているといえそうだ。

Instagram Stories Music

あたらしいMusic機能を利用するとユーザーは自分のストーリーに人気曲のBGMをつけることができる。この機能にアクセスするにはビデオなり写真なりを撮影した後、ソング・スティッカーを選択する。ユーザーは曲名、アーティスト名で検索できる他、気分、ジャンル、あるいは「今人気の曲」を探すこともできる。曲を選択したらコンテンツに応じて特定の部分をスニペットとしてサウンドトラックに付加する。あるいは、iOSユーザーの場合、Musicシャッターというモードを使うこともできる。これは撮影を行う前に曲を選択し、曲に合わせて撮影するという方法だ。この機能は今後Androidにも追加される。今回Music機能がスタートしたのはオーストラリア、ニュージーランド、フランス、ドイツ、スウェーデン、イギリス、アメリカの66カ国だが、すぐに世界各国に拡大される。

フォローしている相手がMusic機能を利用したストーリーを見た場合、楽曲のスティッカー(スタンプ)をタップすると曲やアーティストについての詳しい情報が得られる。今のところこれはアーティストのInstagramページや音楽ストリーミングサイトにはリンクしていないが、そうなればさらに便利だろう。【略】

Instagramは私の取材に対し、「アーティスト他の著作権者は楽曲の利用に応じてロイヤリティーを受け取る」と確認したが、詳細について明かすことは避けた。Facebookはすべてのメジャー・レーベルと多数のインディー・アーティストと著作権のライセンス契約を結んでいる。Facebookでは has since ユーザーが一部の著作権のある楽曲を投稿のサウンドトラックに利用できるようにしたことを発表し、ヒットチャート上位の曲で「口パクパク」が楽しめるLip Sync Liveをスタートさせている。

この新機能でいちばんの注目点は、利用できるようになった「数千曲」の内容だろう。本当にユーザーが使いたい人気曲が含まれているのでなければ失望を呼ぶことになりかねない。一方、Music機能が強化、拡大されればアーティスト、レーベルにとってかっこうのバイラルなプロモーションのチャンネルとなる。素敵な曲がサウンドトラックにあればつまらない内容で画面がぐらぐら揺れるクリップもインディーのミュージックビデオのように見えて思わず最後まで見てしまうということになるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

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