IntelがMovidius Myriad Xを発表、ディープラーニング機能が組み込まれたコンピュータービジョンチップだ

IntelはMovidius買収1周年を迎え、新しいチップMyriad Xを披露した。

Myriad Xは一見、Myriad 2の「Pro」バージョンのように見えるものの、コンピュータビジョンを意識したチップとして大幅に再設計が行われたものだ。その新しい「Neural Compute Engine」を使って、新しく洗練されたディープラーニング機能を提供する。このことによって、Myriad Xを搭載したデバイスが環境からの情報を解釈することが容易になる。

Intel Movidiusの幹部Remi El-Ouazzaneは「このデバイスに直接埋め込まれた高速なインテリジェンスを使うことで、私たちの世界をより安全で、より生産的で、そしてよりパーソナルなものにする可能性は無限に広がります」と、ブログに投稿した

専用のコンピュータビジョンチップは、ほぼすべての電子デバイスで利用できると思われるが、Movidius Myriadチップを実装するインテルの主な目的は、ドローン、VR/ARヘッドセット、ロボット、そしてスマートカメラなどへの応用である。低消費電力SoCにより、デバイスは環境内のオブジェクトを識別し、変化を迅速に検知することに、より多くの能力を振り向けることができる。

Myriad 2は1秒間に約1〜1.5兆回の処理を実行したが、Myriad Xは1秒間に4兆回の処理を行なうことができる。より現実的な観点からすれば、インテルの最新のMovidiusチップを搭載したスマートなビデオカメラは、単に写真に人物がいるかどうかを認識できるだけではなく、その性別や年齢も識別できる可能性があるということだ。Neural Compute Engineは、相当に重い画像処理をエッジで行うことを可能にする。

このAIに最適化されたVPU(visual processing unit:視覚処理装置)は、コンピュータビジョンSoCでAIとディープラーニングにどのようにアプローチしていくかというMovidiusの野望を、Intelの買収がどのように拡大したかを良く示すものだ。

最新のMyriad 2チップは、引き続きIntelのビジュアル処理部品として大きな部分を占める。同社は価格設定について直接コメントしていないが、Myriad Xは間違いなくデバイスメーカーにとってより高価なオプションになるだろう。

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(翻訳:Sako)

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TechCrunch Japan

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