iOS、CASHにカッシーニ――2017年TechCrunch JPで最も読まれた記事TOP10

2017年もあと残りわずか。今年は各社コネクテッド・スピーカーの発売や話題をさらったVALUやBANKなど国内サービスの躍進、スタートアップの買収や資金調達など、編集部には連日、たくさんのニュースが舞い込んだ。2017年の最後に、今年TechCrunch Japanで最も読まれた記事トップ10を振り返りたいと思う(ランキングの対象は、今年掲出した記事のみ)。では、早速見てみよう。

2017年6月、光本勇介氏氏率いるバンクは、“目の前のアイテムを一瞬でキャッシュ(現金)に変えられる”とうたうレンディングアプリ「CASH」をローンチ。写真を取るだけの手軽さから一気に火が着き、ローンチ後16時間でサービスを一時停止する事態となった。その16時間でのアイテムのキャッシュ化総額は、3億6629万3200円に上った。

2017年11月、ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」を発表。伸縮センサーを内蔵したスールを着ると体の寸法を瞬時に採寸できる。採寸データはZOZOTOWNとプライベートブランド「ZOZO」で活用する予定だ。ただ12月26日時点で、プライベートブランドの方はローンチは遅れているとスタートトゥデイの代表取締役社長、前澤友作氏は伝えている。

採寸データを活用することで、ファッションECでの最大の悩み「これ、サイズ入るかな?」問題が改善されそうだ。

10位にも登場したバンクだが、「CASH」のサービスローンチからわずか2ヶ月弱でDMM.com傘下に入ることを決めた。買収金額は70億円。DMM.comグループ会長の亀山敬司氏がバンクの光本氏に直接メッセージを送り、翌日の食事に誘って買収の提案を行ったという。このスピード感とフットワークの軽さには驚いた。

左からバンク代表取締役兼CEOの光本勇介氏、DMM.com代表取締役社長の片桐孝憲氏

 

7位にAmazonの2017年第2四半期、決算発表の記事がランクイン。AWSは年間100億ドル以上を稼ぎ出すビジネスに成長し、昨年同期比42%増だった。けれどAmazonは、次の四半期には赤字に戻るかもしれないと予告し、積極投資を続ける姿勢だ。

「ポケモンGO」が日本でローンチしたのは2016年7月のことだ。それから1年経ったがポケモンGOの人気は根強い。伝説のポケモン、フリーザー、ファイヤー、サンダーがゲットできるイベント情報が今年の第6位だった。

カッシーニ・ホイヘンスは、1997年10月15日にケープカナベラルから土星探査へと向かった。それから約20年の間、木星や土星、土星の衛星を撮影し続け、ついに2017年9月、カッシーニはその任務を終え、土星の大気に突入し、消滅した。カッシーニが捉えた神秘的な惑星もさることながら、土星に突入する瞬間の写真はぐっと迫るものがある。

2017年11月、ユーザー名に「root」と入力するだけで、誰でもMacに誰でもログインできるバグが見つかった。Appleはバグが発覚した翌日にはパッチをリリースしている。

フリマアプリを提供する「メルカリ」もCASHの躍進に注目していた(CASHは当初レンディングアプリとしてスタートしたが、2017年6月に一時サービスを停止した後、8月にブランド品の買取に特化して事業を再開した)。2017年11月、メルカリはCASHと対抗する即時買取サービス「メルカリNOW」を発表。メルカリは、メルカリのアプリ内から「メルカリNOW」を利用できるようにし、ユーザーに買取のオプションを提供する。

メルカリは今年世界1億ダウンロードを達成し、アプリの機能追加に加え新規事業にも積極的に打って出ている。例えば、ライブコマース機能「メルカリチャンネル」の追加や来春にはスキルシェアサービス「teacha」もリリース予定だ。12月22日には、新領域へチャレンジに向けて研究開発を強化するための研究開発組織「mercari R4D(メルカリ アールフォーディー)」の設立を発表した。

タイトルを見るだけで痒くなるのだけれど、Alphabet傘下のVerilyはボルバキア菌に感染した蚊でジカ熱の感染を防ぎたい考えだ。ボルバキア菌に感染した雄の蚊が雌と交配すると感染し、卵子を発生不能にするという。この蚊は、2013年に初めてカリフォルニア州フレズノに入ってきて、既存生態系の一部ではない。そのため、蚊がいなくなることによる弊害はないとしている。

感染症がなくなるのは良いけれど、生き物や生態系に介入するのは不測の事態が起きそうで怖いという反響があり、ざわざわする内容の記事が本年の第2位だった。

2017年9月、AppleはiPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone Xを発表。それに続いて、iOS 11をリリースした。コントロールセンサーやスクリーンショットの編集、QRコードの読み取り機能など、隠れたiOS 11の小技の紹介記事が2017年もっとも読まれた記事だった。毎日使っていても、これができるなんて知らなかった!なんて機能も多いかもしれない。

投稿者:

TechCrunch Japan

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