iOS用風速計からスタートしたShakaが世界最小のウェザーステーションを目指す

昨日(米国時間5/8)本誌に載ったWeatherSignalは、ロンドンのOpenSignalのプロジェクトで、Samsung Galaxy S4など最新のスマートフォンのセンサーを利用してお天気情報をクラウドソースする。その記事を見て思い出したのが、エストニアのShakaが作ったiOS用の風速計だった。

来月発売されるShaka Wind Meter(Shaka風速計)は、電池不要でiPhoneやiPod touchやiPadのヘッドホン端子に挿入して使う。Appleのハードウェアにすでにあるセンサーと、同社のアプリおよびサービスを使って風関連のデータ…現在の風速、平均風速、最大風速、気温、風向など…を測定、記録、および表示し、GPSにより位置に結びつける。

最初の開発意図は、ウィンドサーフィンやカイトサーフィンなど風が重要なスポーツで風の状態を知ることだった。Shakaの協同ファウンダRaigo Raamatは、“天気予報はあてにならないし、またその対象地域が不適切だ。むしろ今いる場所で風の状態が良くなったら、そのことを簡単に仲間と共有できる方法が欲しかったんだ”。

でも、あと二人の協同ファウンダ…Jens KasemetsとMihkel Güsson…らとともに2011年にプロジェクトをスタートさせると、スマートフォンやタブレットを利用する、そしてインターネットにも接続できる“ミニ気象観測ステーション”には、もっと多方面の需要やニーズがあることがすぐに分かった。プライベートな用途もあれば、社会的な目的もある。リアルタイムでクラウドソースなお天気データであることが魅力だ。大学、農業、消防救急サービス、ゴルファー、モータースポーツなどなど、分野も幅広い。“抱えている問題はそれぞれ違うけど、共通しているのは現場の天候情報を知りたい、ということだ”、とRaamatは言う。

というわけでShakaのプロジェクトは、単なる風速計を超えて、でっかくなった。ハードウェア専門のアクセラレータでシード投資家でもあるHAXLR8R出身のShakaは、Raamatの言葉を借りると、世界最小のウェザーステーション(気象観測所)を目指すことになった。そのためには、気圧や湿度用のセンサーを加えないといけないし、Androidにも対応するつもりだ”、と彼は言う。携帯型のウェザーステーションは前からあるが、高価だしインターネットに接続できない…それらをディスラプトすることが、Shakaの究極の目標だ。

今はハードウェアだけが有料でアプリは無料だが、将来的には有料のサービスも提供していく。またいろんな専門分野のアプリからShakaを利用したいというパートナーも、大歓迎だ。

〔関連記事: もう一つのスマホ風速計。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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