iOS 13では位置情報の利用を「1回だけ」許可できる

アップルは、アプリに対してiPhoneの位置情報の利用を1回だけ許可できるようにする。これまで位置情報の利用には「常に許可」「許可しない」「このAppの使用中のみ許可」の3つの選択肢があった。

「1回だけ」位置情報の利用を許可するのは、小さな変更ではあるが、プライバシーを重視する人々には魅力があるだろうとアップルは述べた。

アップルのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長、Craig Federighi(グレイグ・フェディリギ)氏は米国時間6月3日にWWDCで「アプリに位置情報を1回だけ共有できる。その後、アプリが位置情報を必要とするときにはあらためて利用者に許可を求める。これは初めて登場する設定だ」と話した。

あるアプリを使うにはリアルタイムの位置情報が必要だが、常に自分の居場所の情報を提供したくはない。そういうアプリをダウンロードする人に役立つ機能だ。

さらにアップルは、位置情報を利用するアプリはiPhoneにレポートの形式で情報を記録すると説明した。「だから利用者はアプリが何をしているかを知ることができる」とフェディリギ氏は言う。

アプリは利用者の位置情報を常にGPSから特定しているわけではない。たいていの場合、Wi-Fiネットワークの情報、IPアドレス、さらにはBluetoothのビーコンのデータも利用して位置情報を特定し、広告のターゲットの精度を上げている。位置情報の利用を1回だけ許可する設定について「こうした乱用を封じるものだ」とフェディリギ氏は語った。

きめ細かくなった新しい位置情報の許可の設定は、今秋登場のiOS 13に搭載される予定だ。

画像:Screenshot / TechCrunch

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。