IVS LaunchPad準優勝の「DeepLiquid」をJFEエンジニアリングが完全子会社化

水質判定AI「DeepLiquid」を開発・提供するAnyTechは10月11日、プラント大手のJFEエンジニアリング(JFEE)と株式譲渡契約を締結し、JFEEの完全子会社となったことを明らかにした。

AnyTechは2015年6月創業の「AI×流体力学」スタートアップ。彼らが提供するDeepLiquidは、流体力学の知見を生かして独自開発した水質判定AIだ。監視カメラとAIを活用した動画解析により、水質の異常検知を即時に可能とする技術で、これまでのセンサーや人による水質監視と比較して、異常発見までの時間を短縮し、コストダウンするだけでなく、監視精度を高め、水質異常による設備の操業停止や水質汚染の拡散などのトラブルを減少することができる。

DeepLiquidは、今年7月に神戸で開催されたInfinity Ventures Summit(IVS) 2019 Summer KOBEのLaunchPadで準優勝を獲得。既に水処理施設やバイオ医薬品・化粧品・飲料製造工場、自動車関連企業といったさまざまな業種の企業に提供され、高評価を得ているという。

AnyTechでは株式譲渡により「JFEEの保有する水処理・ゴミ処理・製鉄・エネルギー領域をはじめとする各種プラントのアセットやデータを活用し、DeepLiquidのさらなる事業拡大や新規事業の創出を目指す」としている。

また、JFEE代表取締役社長の大下元氏は「この度の取組みにより、当社既存事業領域の幅広いアセットとAnyTechの革新的なAI開発技術を存分に生かし、全く新しい価値の創造が可能になると確信しています。 当社は、今後も積極的に、革新的な技術を有するスタートアップ企業やベンチャー企業への支援、協業を進めてまいります」とコメントを寄せている。

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TechCrunch Japan

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