JR九州がモバイル注文・決済のShowcase Gigと資本業務提携しキャッシュレス化を加速

九州旅客鉄道は12月21日、モバイル注文・決済システムを手掛けるShowcase Gigとの資本業務提携を発表した。提携の目的はJR九州グループの鉄道事業や流通、外食事業等におけるデジタルサービスの強化だ。出資額は非公表だが、数億円単位と見られる。

JR九州グループが運営する飲食店や小売店、宿泊施設などでは店舗におけるインバウンド対策や少子高齢化による労働力不足が大きな課題となっている。そのような課題を、飲食店などにおいてスマホだけで注文・決済を済ませることができ、導入することで「省人化・省コスト化」などが見込めるモバイル注文・決済プラットフォーム「O:der(オーダー)」を提供するShowcase Gigと手を組むことで解決していく。

JR九州はShowcase GigとJR九州の公式スマホアプリ「JR九州アプリ」を共同開発し、2016年より提供している。同アプリは列車予約や時刻・運賃検索、運行情報などのほか、ゲーミフィケーション機能なども搭載。同アプリの総ダウンロード数は75万を突破、列車のネット予約に占める比率は毎月30%を超えている。

今回の提携を通じ、両社はJR九州アプリにおけるネット予約の操作性向上や利用シーンに応じた情報提供の最適化といった機能面の強化や、他の交通機関等を含めたシームレスな検索・予約等の実現の検討を行う。加えてShowcase Gigの持つ技術力やノウハウを活用し、JR九州グループの流通・外食事業等の現場における「人手不足」や「キャッシュレス化」、「インバウンド対策」といった課題に力を合わせて取り組む。

JR九州は「“スマートな決済”をはじめとした店舗のデジタル化を実現できるソリューションに親和性を感じるとともに、同社(Showcase Gig)と共同開発し、鉄道アプリにとどまらない進化が続く“JR九州アプリ”の実績を踏まえ、今回の資本業務提携へと至りました」とコメントしている。

Showcase Gig代表取締役、新田剛史氏は「今後は両社の連携をより一層深め、当社が提供するモバイルオーダー&ペイプラットフォームO:derを通じて、外食・小売業態をはじめとする実店舗のキャッシュレス化・省人化・インバウンド対応などの課題に取り組み、九州エリアにおける地域経済の活性に努めてまいりたいと思います」とコメント。

なお2018年10月にはJR東日本スタートアップとShowcase Gigとの資本業務提携も発表されている。JR東日本スタートアップは「両社で首都圏の駅ナカ施設でO:derの試験的な導入や、タッチパネルによって事前注文・決済ができるSuica対応の省人化ハードウェアの共同開発を進めて参ります」とコメントしていた。

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TechCrunch Japan

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