Keplerが引退前に撮影した「最後の光」をNASAが公開

NASAのKepler宇宙望遠鏡の「最後の光」の写真

NASAは9月にKeplerが撮った最後の写真を公開した。これは、この宇宙望遠鏡が引退する直前のもの。われわれの太陽系の外側の宇宙についての、ほぼ10年間にわたる前例のない発見の最後を締めくくるものだ。

「この宇宙探査機が最初に空に目を向け、その『最初の光』の画像を捉えたときから、9年半におよぶ感動的な時間を締めくくりました」と、NASAエイムズ研究センターの広報担当官、Alison Hawkesは述べた。「ケプラーは、私たちの太陽系の外に2600を超える世界を発見し続け、私たちの銀河には恒星よりも惑星が多いことを統計的に証明しました」。

この「最後の光」の写真は、Keplerが引退する約1か月前の、9月25日に撮影された。宇宙望遠鏡は水瓶座の方向を向いていて、この画像はTRAPPIST-1系全体をカバーしている。そこには、「7つの岩石惑星が含まれていて、少なくともそのうち3つは温和な世界だと信じられています」と、Hawkesは書いている。また、GJ 9827系は 地球型の太陽系外惑星を持つ恒星で、「今後、他の望遠鏡による観察によって、遠く離れた世界の大気がどのようなものなのかを研究するための、絶好の対象と考えられています」とのことだ。

Keplerの視野は、その惑星探査の後継機であるNASAのTESS(Transiting Exoplanet Survey Satellite=トランジット系外惑星探索衛星)のものとも、わずかながら重複していたので、天文学者は2つの観測データを比較することができるはずだ。TESSは昨年打ち上げられ、1500を超える太陽系外惑星を探査する予定となっている。

Keplerの主要な任務の期待寿命は、元々3.5年に過ぎなかったので、その遺産はさらに特別なものとなった。この、17世紀のドイツの天文学者であり数学者のJohannes Keplerにちなんで名付けられた宇宙探査機は、9年間も仕事をしてくれたのだ。それは、頑丈な構造と予備の燃料のおかげだった。その間に、3912の太陽系外惑星を含む、4500以上の確認済の惑星と惑星の候補を発見した。

特に重要なのは、Keplerが発見した惑星の多くが、地球と同じくらいの大きさの可能性があることだ。NASAの分析によれば、空にある恒星の20〜50パーセントは「小さな、おそらく岩石でできた惑星、それも表面に液体の水をたたえた、その恒星系の中で生命が存在可能な領域にある惑星」を周回軌道上に持っているという。実際に生命が存在する可能性もある。

Keplerは、さらに「最後の光」を撮影した後の数時間も、30秒ごとに指定したターゲットを記録し続けた。「Keplerの送信機の電源は切られ、もはや科学的情報を収集していませんが、これまでに蓄積されたデータからは、今後何年にもわたって有効な情報を引き出すことができるでしょう」と、Hawkesは書いている。

画像クレジット:NASA

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

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TechCrunch Japan

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