Kineticaは指先で直感的に高度な統計処理とビジュアル化ができるすぐれものiPadアプリ

大量のデータをすばやくいくつかのグループに分類したいなどと思ったことがあるだろうか? もしそうなら朗報だ。

カーネギー・メロン大学(CMU)の人間コンピュータ相互作用センターの博士課程の学生グループが開発中のKineticaというiPadアプリはデータを指先で操作し、分類したり、任意の線に沿って並べたり、スワイプだけでグラフ化したりできる。

このアプリはインポートしたデータに対して直感的な操作で分類、ソートなどさまざまな処理ができる。指で描いた曲線に沿ってデータを配置したり、同一のデータから複数のグラフを同時に生成するなども可能だ。

個々のデータは磁石で壁に張り付いた点のように見える。指定された値によって色分けするのも簡単。 たとえば、自動車のデータなら価格帯、飲食物なら砂糖の含有量によって色分け分類し、ソートするなどができる。

「UIが直感的なので数学や統計の専門知識がなくても、少し慣れればだれにでも高度な処理ができる」と開発者の一人、Jeffrey Rzeszotarskiは言う。現在タブレットの主要な用途はウェブ閲覧と読書にとどまっている。これはひとつにはアプリの操作性が十分でないからだ。正確なポインティングではデスクトップのマウスにはやはりかなわない。しかし直感的な操作にはタブレットの方がずっと向いているし、その強みを生かして自然なジェスチャーで利用できるアプリがもっと増える必要がある。

まだこのアプリは一般公開されていないが、こちらに登録しておくと4月29日過ぎに公開されたときにメールで通知がもらえる。

〔日本版〕上はデモビデオのスクリーンショットだが、サイトの説明によると、タイタニック号の乗客を船室等級別に3つのグループに分け、縦軸を年齢に取り、生存者に着色したものだ。これによって上級船室の乗客は高齢者まで助かったのに下級船室の乗客で助かったのは大部分が若者だったことが一目で分かる。

もうひとつの例は自動車を製造国、価格、馬力でグループ分けしたもの。「4万ドル以上」という条件でフィルタすると「馬力が大きいモデルはほとんどがドイツ車」だということがすぐに分かる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+