LINE、ついにiPad用(サブデバイス)アプリケーションを投入

アジアを中心に多くの利用者を集めるメッセージングサービスのLINEが、ついにiPad専用アプリケーションをリリースした。無料のメッセージングサービスをコアに据え、多くの利用者に向けてスタンプやゲームなどのアプリケーション販売など、マネタイズの手段を拡大しつつもあるサービスだ。これまでにデスクトップ版および各種スマートフォン版はリリースしてきている。

ちなみに先週には月次アクティブ利用者数のデータも発表している(ちなみに1億7000万だ)。登録利用者数は5億6000万なのだそうだ。先にも書いたが、主力サービスのメッセージングは無料で提供し、スタンプなどアプリケーション内販売によるマネタイズを行なっている。

今回リリースされたiPadアプリケーションは「サブデバイス版」(sub-device)としての位置づけで、スマートフォン版LINEの利用を前提としたものだ。すなわちiPad版の新しいアカウントを作成することはできない。iPadを使っている際にも、スマートフォン版LINEを使っているときと同様に、友だちとメッセージやスタンプのやりとりができるようにしようという発想に基づくものだ。

このことからもわかるように、アプリケーションの機能としてもサブセット版のような存在となっている。音声やビデオメッセージの交換に利用することは(少なくとも今のところは)できない。もちろん、チャットの中で写真やビデオ、ないしは音声メッセージを共有することはできる。サブセット版となっている理由のうちには「早期にリリースするため」ということもあるそうだ。今後、機能が増えていくということはあるのだろう。

iPad版LINEの動作にはiOS 7以降が必要だ。リリース時点で16ヵ国語に対応している。グローバルなアプリケーションであることを示すための作戦だろう。サポートデバイスを増やすことで、利用者層にもつながる。画面の大きなiPadをサポートすることで、いろいろとリリースしている有料サービスの普及も目指したい考えだ。

LINEはこれからさらに提供サービスを増加させていく考えで、たとえばLine Pay(他のLineメンバーに送金することができる)、Line Taxi(既存タクシー会社と連携しつつUber風オンデマンドを実現するサービス)などを(まずは)日本で立ち上げていく予定となっている。また国内企業と連携したフードデリバリーサービスのLine Wowのソフトローンチや、商業施設内ナビゲーションを目的としたLine Maps for Indoorやサブスクリプション方式の音楽ストリーミングサービスのLine Musicなどが提供されるようになる予定だ。

メッセージングサービスをハブとして、各種デジタルデリバリー可能なものを配信しようとするサービスは大規模バトルに突入しようとしているようだ。Facebookもさまざまなサービスを提供予定であるらしい。

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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