LINEやFacebookに送れる電子チケットシステム、トランスコスモスが新会社

コンサートなどのチケットをオンラインで受け取り、スマートフォンで入場する電子チケットは、転売を避けたい人気アーティストの公演でも取り入れられることが増えてきた。アプリを利用するもの、QRコードを使うものなどいくつかのサービスが提供されているが、「QuickTicket」は既存のチケット販売・管理システムとのAPI連携により低コストで導入でき、来場者側も専用アプリが不要でLINEやFacebook、メールなどを通して電子チケットを発券できるシステムだ。

トランスコスモスは5月31日、子会社のLeonis & Co.(レオニス)が手がけるこのQuickTicket事業を切り出し、あわせてエンタメ業界向けサービス開発とコンサルティング支援も行う子会社playground(プレイグラウンド)を6月1日に設立すると発表した。playgroundの代表には、レオニス共同代表の伊藤圭史氏が就任する。

レオニスは、O2O/オムニチャネルでのマーケティング支援を行う企業として2011年に設立され、小売業やIT事業者へのシステム提供やコンサルティング支援を行っている。同社は2014年6月にトランスコスモス傘下に入り、トランスコスモスの子会社として、オムニチャネル関連サービスの開発・戦略立案を担当してきた。

2017年2月には、トランスコスモスのECプラットフォーム「transcosmos eCommerce HUB」とレオニスの「QuickTicket」を連携し、ECサイト上での電子チケットの販売からLINEによるチケット発券まで行える、イベント向けシステムの販売を開始している。このシステムは、チャットボットや有人オペレーターとの組み合わせにより、チケット販売時にグッズを紹介したり、場内の店舗で使えるクーポンを配信するなど、チケットの受け取りを起点としたコミュニケーションツールとして利用することが可能。第一弾としてサンリオピューロランドでの運用が始まっている。

新会社のplaygroundでは、電子チケット発券を接点に、新しいコミュニケーションやサービスの提供を実現するコンサルティングサービスの提供を行い、興行品質や顧客満足度、収益性の向上に繋げるための活動を支援していく。また、トランスコスモスとLINEとの共同出資会社transcosmos online communicationsをはじめ、グループがもつ各種のアウトソーシングサービスなどと連携しながら、エンタメ業界に向けた総合的なソリューションを提供していくという。

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TechCrunch Japan

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