LinkedInはビッグデータによる人材ビジネスを強化する為、Careerifyを買収

LinkedInは展開する人材採用ビジネスにビッグデータを活用するため、新たにCareerify買収した。カナダのトロントに拠点を置くCareerifyは、企業の人材採用を助けるソフトウェアの開発を行ってきた。

この買収により、Careerifyのプロダクトのうち2つが閉鎖された。一つは、企業の魅力を潜在的な候補者に伝えるためのブランディング用のソフトウェアだ。もう一つは、「内部流動ソフトウェア」と呼ばれ、空いているポジションに最適な人材を社内から探すソフトウェアだ。Careerifyは更に、社員の紹介から採用へとつなげるソフトウェアを提供している。このサービスは引き続き既存の顧客には提供されるが、新規の申し込みはもう受け付けていない。

LinkedInは、閉鎖した2つのプロダクトを再提供するか否かや継続したサービスを今後どのように発展させていくかといった情報を開示していない。

今回の買収は純粋な企業買収であり、人材獲得を目的とした買収「アクハイア」ではない。買収した企業のサービスを利用する企業には、Good TechnologyやSunGardといった大小の有力企業もあった。.

Careerifyが開発した社員の紹介採用のソフトウェアは、LinkedInの持つ長期的なビジネス戦略にぴったりとあてはまる。LinkedInは、ユーザーが入力したプロフィールの情報や彼らに関連する情報を細かく分析し、他のユーザーや興味を持つ仕事などを紹介することで、ユーザーのキャリアにおいてシナジーを生み出そうとしている。

Careerifyは従業員の個人のつながりに注目した。今の時代、それはLinkedIn、Twitter、Facebookのつながりということになる。その中からユーザーが勤める会社のポジションに適している人を探すのだ。

Careerifyの着目した問題は、私たちにとって身近な問題である。あなたも似たような経験があるかもしれない。あなたの会社で人材が必要となり、候補となりそうな人を知りませんか、とメールが回ってきたことはないだろうか?その時は忙しすぎてメールに返信できなかったり、相応しい人が思い浮かばなかったりすることは良くあることだ。Careerifyのソフトウェアはその一連の作業を自動化した。これはLinkedInが情報の読み取りやコネクションを提案する仕組みと似ている。

Careerifyはこの問題に対し、適したソリューションを提供していたのかもしれないが、彼らには別の課題があった。多くのソーシャルメディア企業と採用に特化した企業が競い、力を増す中で自社をどのようにポジショニングし、成長へとつなげていくかということだ。そこにLinkedInが登場した。CareerifyのファウンダーCEOであるHarpaul Sambhiは、買収についてブログで報告している。

「私たちが欠けていたものを補う為にLinkedInに参画することにしました。私たちには圧倒的なスケールが必要でした」と彼は書いている。「LinkedInを採用に活用する企業は3万社を超え、ユーザー数は3億4700万人以上です。LinkedInは仕事探しと採用において、大きな影響力を持つ可能性を秘めています」と続けた。

Sambhiとソフトウェア開発者の二人、Luthfur ChowdhuryとPrashant ViswanathanはLinkedInのTalent Solutions Teamに参加するが、もう一人は参加しないとのことだ。この3人は現在、LinedInのトロントオフィスで働いているが、近いうちにマウンテンビューのオフィスに異動する予定だ。

買収の詳細条件については開示されていない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook


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TechCrunch Japan

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