LishtotのTestDropは、非接触で水が安全に飲めるかどうかを判定する

安全な水への定常的なアクセスは、何十億という人びとの課題だ。そしてその課題の一部が、手元の水が飲んでも良いものか否かを判断する手段がないことである。Lishtotはこの状況を小さなデバイスで変えようとしている。このデバイスは水が飲むのに安全なものかどうかを、その周りの電磁場を分析することで判別する(細片や、マイクロ流体構造(microfluidics)や、有毒な化学物質が含まれていないかなどを調べる)。正直なところ、ちょっと話がうますぎると思うだろう。とはいえ私の見た限り、これは本物のように思える。

私はCESでLishtot(ヘブライ語で「ドリンク」の意味)のCEO、Netanel Raischと話したが、彼はその場でTestDropデバイスのシンプルさと有効性をデモしてみせた。彼は水の入ったプラスチックカップを2つ持っていて、そのうちの1つには汚染物質が加えられていた。テストボタンを押して、TestDropを1つのカップに近付けた――青い光。安全だ。同じことをもう1つのカップにも行う――赤い光。汚染されている。

このように操作は簡単だ。1、2回の試行のあと、私も自分自身でうまく行うことができた。それはとても簡単だった。実際、私は疑いが拭えなかった。私はそれが、何らかの分光器の一種であるかもと考えたが、だとすれば発光装置はどこにあるのだろう?ドップラー効果の類を生み出すわけではないにせよ、なぜデバイスを動かす必要があるのだろう?

結局分かったのは、すべてのものを囲んでいる電磁場に、これが基いているということだった。水はそれ自身の場を持っていて、TestDropを動かすことでそれを測定することができる。そしてわかることは、きれいな水は、鉛や塩素を含んだ水や、大腸菌のいる水、動物性物質の溶け込んだ水などとは、微かに異なる性質を示すということだ。

このデバイスは、第三者によるテストを受けている。そうしたレポートのうちの2つを読む限り、本当にうまく働いているようだ。わずかな量の鉛とタンパク質も即座に検出し、精度は100%で、偽陽性や偽陰性は検出されなかった。

交換可能な時計用バッテリーは、デバイスを1日に10回から20回使用しても、何年ももつ。既知の測定対象のいくつかは内蔵されていて(デバイスは水の半分入ったプラスチックのカップでキャリブレーションされている)、飲める/飲めないの判定をするためにTestDropがクラウドへ問い合わせる必要はない。

とはいえ、もしスマートフォンやアプリを使いたい場合には、Lishtotが提供しているサービスを使って、デバイスで行ったテストを追跡することができる(ユーザーが送信すること選んだ場合に限る)。Raischは、これが(必要に応じて清潔な水源を見つけることができる)通常のユーザーと、(水道を引き状況をモニタすることのできる)政府や企業たち双方にとっての、有用なデータベースになることを願っている。水道会社に対して直接問題を報告することもできる。

Lishtotはこの先も多くの浄水関連技術を目指していくが、現段階の主力商品はTestDropだ。デバイスの価格は50ドルだが、CESで割引価格は35ドルだ。私の想像では、NGOや、水道会社その他の組織がまとめ買いをすれば、価格はもっと柔軟なものになるだろう。そのことでもっともこれを必要とする場所に届けられるようになる。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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